事業でWeb広告の運用を始めた広告主にとって、どの広告代理店へ依頼するかは重要な決断です。「広告成果がきちんと上げてくれるかどうか」を考えるにあたり、毎日更新される新しいデータを反映させたうえで現状の成果をきちんと把握することは大切です。広告テキストの訴求力も大事ですが、データを可視化して把握、分析する精度によっても成果は大きく変わってきます。
弊社でもデータの可視化、分析に関する相談は良く受けますが、Excelを使って手作業で集計する企業が多く、そうなると未更新のままデータが古くなったり、手間がかかってしまうことがあります。
また、知りたい情報にすぐにたどり着けないことも大きな課題となっています。
こういった問題を解決するのが、Googleが出しているLooker Studio(ルッカースタジオ)です。
LookerStudioを使うと、広告の成果やGA4のデータなどを一つの画面(ダッシュボードといいます)にまとめて表示することができます。
毎日自動的に最新データになるので、集計の手間もなく、最新の成果を広告主と代理店が一緒に見られるようになり、いつでも新しい成果を確認できるようになります。
判断を早くすることになれば、問題があってもすぐに改善を進めることができるようになります。
今回の記事では、広告主が代理店のLooker Studioを使ってレポートを共有を受けるときのメリットと、使い始める際の注意点をわかりやすく説明します。
Looker Studioとは
Looker Studioとは、Googleが提供する無料のBI(ビジネスの情報をわかりやすく見せる)ツールです。
いろいろなデータソースをつなげることで自動的にビジュアル化することができますが、広告掲載結果のデータソースとつなげることにより、自動でデータを表やグラフにできます。
広告運用の成果データとつなげれば、広告の成果を毎日見ることができます。
代理店からLooker Studioを使って広告の成果を共有してもらうことで、広告主にとっては、成果を早く知れて安心できる、気になったことをすぐ代理店に聞けて、早く解決できる、といった良い点があります。
Looker Studioのレポート共有のメリット
Looker Studioを使ったレポート共有には、次のような良い点があります。
データが「見える」から分かりやすい
ダッシュボードで情報がまとまり、安心感が増す
詳しく見ていきましょう。
常に最新のデータが見れる
Looker Studioを使うと、ダッシュボードのデータが毎日自動で新しくなります。
これによって広告主はいつも一番新しい広告の成果をすぐに見ることができます。
代理店からの報告を待つ必要がなくなるので、広告主と代理店が同じ新しいデータを見ながら、すぐに次の戦略を考えることができます。
数字の変化に早く気づいて対応することで、チャンスを逃したり、無駄な広告費を使ってしまったりすることを減らせます。
いつも新しいデータで判断できるので、PDCA(計画→実行→評価→改善)を回すスピードを上げることができるのも大きなメリットです。
データが「見える」から分かりやすい
グラフなどで見やすく整理されたダッシュボードは、成果をパッと見て分かるようにしてくれます。
むずかしい分析の知識がなくても、どの広告が良い成果を出しているか、どこに問題があるかなどをすぐに理解できます。
レポートを見るのにかかる時間や手間も減るでしょう。
このようにデータが「見える化」されることで、広告主はデータをもとに考えることを効率よくできるようになります
ダッシュボードで情報がまとまり、安心感が増す
Google広告やYahoo!広告など、いくつかの場所で広告を出している場合でも、それらのデータを一つのダッシュボードにまとめて共有すれば、広告主と代理店が同じダッシュボードで広告全体の状況を一緒に見られます。
広告主は代理店にレポートを急かさなくても、いつでも一番新しい状況を確認できます。
このように、情報がみんなに見えるようになることで、広告主と代理店の間の信頼関係が深まり、話し合いや戦略の調整がしやすくなります。
結果として、判断が早くなり、PDCAのスピードアップにつながります。
Looker Studioを使う時の注意点
広告主が代理店からLooker Studioのレポート共有を受けた時に気をつけたい点をお話しします。
目標(KPI)や役割分担をはっきりさせて、みんなで理解する
広告運用の成果がどうかを測る「目標(KPI)」は、あらかじめはっきり決めておき、代理店と話し合っておくことが大切です。
Looker Studioのレポートにも大切なKPIとその目標をはっきり書いてもらい、お互いが同じ基準で成果を見られるようにしましょう。
KPIについて同じ考えを持つことで、数字の見間違いや解釈の違いを防ぎ、目標に向かって一貫して運用を進めることができ、そのためにPDCAを回しやすくなります。
また、広告主と代理店、お互いが同じ情報を見られる中で、それぞれの「役割分担」も大事になります。
広告主はダッシュボードを見て気づいたことや質問を代理店にすぐに伝え、代理店はデータのプロとして、もっと詳しく分析したり、改善策を考えたりする、といった役割分担をしっかり決めましょう。
データ共有の効果を最大限に活かすためにも、ただ数字を見るだけでなく、その数字をどう使うかをお互い話し合っていく必要があります。
新しいデータをどう使うか、戦略的に判断する
Looker Studioで常に新しいデータが見られるようになると、変な数値や急な成果の低下に広告主側でもすぐに気づき、早く対応できるようになります。
ただし、データがリアルタイムで見えることで、毎日のちょっとした変化を気にしすぎることもあるかもしれません。
例えば、毎日の変化ばかり見てしまい、長期的な計画に沿った対策を続けられなくなると、結果として成果が悪くなる可能性もあります。
週ごと、月ごとといった、もっと大きな視点での評価のルールをあらかじめ決めておき、ダッシュボードで見やすい小さな変化に必要以上に振り回されないように、運用ルールを決めておくことが大切です。
気になる変化が出ても、慌てずに決めたルールに基づいて代理店と相談し、戦略的な改善につなげることが重要です。
定期的に報告、ディスカッションをする
ダッシュボードを共有することで、いつでも成果を確認できる環境が整ったとしても、代理店と直接話すことをおろそかにしてはいけません。
定期的な打ち合わせや、週ごとの報告会などをきちんと行い、Looker Studioの数字をもとに、代理店から戦略の提案やデータの詳しい説明をしっかり聞きましょう。
リアルタイム共有は、報告の回数を減らすためだけでなく、「同じ事実を見て、より良い方法を話し合う」ための土台だと考えることが大切です。
弊社のLooker Studioダッシュボード例
これまで、広告代理店と広告主がLooker Studioを使ってレポート共有を受けるメリットを紹介してきました。
弊社SPENDAでも広告主様にダッシュボードを提供しており、リアルタイムでの情報共有を行っています。
その一部を画像で紹介します。
Google/Yahoo広告の掲載結果を一目で確認できるダッシュボード。
各キャンペーンごとの費用やコンバージョン数、Google/Yahoo全体での費用・コンバージョン数・CPA・CVRが一目でわかります。
このダッシュボードの別のページでは、Google・Yahoo広告それぞれの詳細データや、日別・週別などのデータが確認できます。
SPENDAではほかにも様々なタイプのLookerStudioダッシュボードを作成しており、広告主様との共有に利用しています。
広告主様に成果データを毎日お伝えできるので、広告についての不安がなく、安心して任せられるとのお声もいただいています。
詳細は、フォームよりお問い合わせください。
まとめ
Google Looker Studioを使うと、広告運用のデータを一つにまとめて見やすくでき、代理店と広告主がいつも同じ新しい情報をすぐに見られるようになります。
PDFやExcelで手作業でレポートを作ったり送ったりするのと比べて、時間のかかりや間違いを大きく減らせ、PDCAを早く回すための準備ができます。
使い始めるときは、目標(KPI)や目標の値を前もってはっきり決め、代理店と同じ考えを持つことが大切です。
ダッシュボードを見る権限や役割分担をあらかじめ決めておけば、データから気づいたことや疑問をスムーズに伝え、データのプロである代理店の詳しい分析と合わせて、効果的な改善策を考えやすくなります。
Looker Studioを上手に使って、広告代理店との連携を強くすることで、皆様のWeb広告運用がもっともっと良くなることを願っています。
参考: 【業種別事例】Looker Studio活用法|EC・SaaS・BtoB企業の成功ダッシュボード|DataVista(合同会社InnoMark)



