【2024年最新】検索広告のマッチタイプを徹底解説!

皆さんは検索広告のパフォーマンスを左右するマッチタイプについて、正しく理解ができていますか?

マッチタイプは広告媒体の裏側の問題で実態が掴みにくいほか、定期的にアップデートがあり、Webで調べてみても情報が錯綜していることから、なかなか体系的に学ぶのが難しいように思います。

そこで本記事では広告媒体社(Google、Yahoo)の情報を引用して「検索広告のマッチタイプ」を初歩から最後まで完全解説いたします。

※この記事では24年8月時点での情報をもとに執筆されたものです。
※用語はGoogle広告に統一しております。

▼広告媒体社と各単語の呼び方

GoogleYahoo!Microsoft
検索キーワードキーワードキーワード
検索語句検索クエリー検索語句
除外キーワード対象外キーワード除外キーワード
インテントマッチ(旧部分一致)インテントマッチ部分一致

マッチタイプとは

マッチタイプとは、「登録キーワードに対して、検索ユーザーが検索に使用したキーワードがどの程度厳密な一致を求めるのか指定すルール」です。

検索広告では広告主が検索キーワードを登録し、検索ユーザーがその検索キーワードを検索した際に広告が表示されますが、もちろん検索ユーザーの検索語句を全て入稿することは不可能に近いですよね。

そこでマッチタイプを適切に利用し、広告が表示されるタイミングをコントロールすることで、運用者の工数を削減しつつも、無駄な広告表示を減らし、ターゲットとなるユーザーに効果的にリーチすることができます。

なぜマッチタイプを理解する必要があるのか

検索広告で成果を上げるにはマッチタイプを理解することが必要不可欠だと私は考えます。

なぜなら、検索広告は広告主が設定する「検索キーワード」と「マッチタイプ」という2つの変数でキーワードのボリュームが変わるからです。

具体例で説明します。まずは下記をご覧ください。

画像引用:キーワードのマッチタイプについて(Google公式ヘルプ)

「一人旅 温泉」という検索キーワードに対して、完全一致、フレーズ一致、インテントマッチ(これら3つの詳しい説明は後述)のそれぞれを設定した場合、どのような検索語句で広告が表示されるかを示した画像です。

このように見ると、検索広告の配信量を拡大したい場合は下のいずれかの対応になることがわかります。

・水平的に拡大:検索キーワードを追加する
・垂直的に拡大:マッチタイプの条件を緩める

世の中のトレンドとして加速度的にインターネット上のコンテンツが増えていく中で、ユーザーの検索ニーズもまた急激に変化しており、水平的な拡大だけでは拡張が追いつかなくなってきています。

実際にLINEヤフー社でのデータでは、検索トークン(キーワードの区切り)の数が増加傾向にあり、4トークン以上での検索は1年で6%程度増加しているのです。

画像引用:ずっと同じキーワードで運用していませんか?(LINEヤフー運用テクニックコラム)

これはマーケットにおける検索ニーズの変化が加速していることを指し、マッチタイプを理解した上で定期的に運用を行わないことは検索ニーズが変わりゆくユーザーへ適切なタイミングで広告を配信できていないと言わざるを得ません。

そのため私は、検索広告で成果を上げるためにはマッチタイプの理解が必要不可欠だと考えます。

3つのマッチタイプについて

Google、Yahoo!ともに「完全一致」「フレーズ一致」「インテント」の3つのマッチタイプが用意されており、後者になるほど条件が緩くなる結果、配信量が多くなり前者を含むような関係性となっています。

画像引用:マッチタイプについて(Yahoo!広告ヘルプ)

なお、Googleのヘルプでは、「同じキーワードを複数のマッチタイプで登録しても費用やパフォーマンスの面で悪影響は出ない(引用:効果的なキーワードの選び方(Google広告ヘルプ))」と記載があります。

これらは包含関係にありますが、強いてこれらのマッチタイプを二分するなら、配信量の差、考慮されるシグナルの差(後述)で「完全一致、フレーズ一致」と「インテントマッチ」となるでしょう。

ではそれぞれのマッチタイプの違いについて解説します。

完全一致

・キーワードと全く同じ意味または意図の場合に表示対象となります。
・全く同じ語句である必要はありません。
・登録キーワードに追加の要素があった場合は表示対象となりません。
・キーワードの追加には [ ] を使います。
・CPCは高くなるが、CVRも高くなる傾向がある

画像引用:マッチタイプを見直す(LINEヤフー運用テクニックコラム)

フレーズ一致

・キーワードと同じ意味の内容を含む検索が広告の表示対象となります。
・完全一致のマッチタイプで表示対象となるものも含みます。
・登録キーワードに追加の要素があった場合でも表示対象となります。(この画像の場合「ギフト 内祝い 出産」でも表示される)
・キーワードの追加には “ “ を使います。

画像引用:マッチタイプを見直す(LINEヤフー運用テクニックコラム)

インテントマッチ

・キーワードと関連する内容の検索が広告の表示対象となります。
・完全一致、フレーズ一致のマッチタイプで表示対象となるものも含みます。
・キーワードの追加に必要な記号はなく、キーワードを入力すれば部分一致となります。
・CPCは安くなるが、CVRが低い傾向がある。

画像引用(画像は部分一致のまま):マッチタイプを見直す(LINEヤフー運用テクニックコラム)

インテントマッチの特徴はこれで終わりではありません。最大の特徴として、検索語句の質を担保するため、考慮されるシグナルが豊富という特徴があります。

Google社はインテントマッチについて、「他のマッチタイプでは使用されていない複数のシグナルも用いて指定したキーワードと共通する「インテント(意図)」で検索されたクエリも認識する」と説明しています。

下記の表の通り、インテントマッチでは、検索語句以外に「ユーザーの最近の検索結果」「LPのコンテンツ」「広告グループ内の他のキーワード」「過去の検索」「ユーザーの所在地」が考慮されます。

画像引用:検索広告 推奨運用(六連)資料(LINEヤフー運用テクニックコラム)

類似パターンの例【中級者向け】

マッチタイプによる検索キーワードの拡張以外に、漢字・ひらがな・カタカナの違いや変換ミス、省略形など表記が違う場合でも、システムにより検索語句と検索キーワードが同じであると判断した場合は、完全一致、フレーズ一致の広告表示の対象になります。

この類似パターンの例を覚えておくことで余計な検索キーワードを登録する手間が省け、アカウントの管理がしやすくなる他、インプレッションの分散を防止することができます。

では、類似パターンの例についてそれぞれ紹介していきます。

①語順が異なっていても意味が同じ語句
「ギフト 誕生日」と「誕生日 ギフト」

②助詞や接続詞など、検索の意図に影響しない「機能語」が入っていた場合
「誕生日のギフト」は「誕生日 ギフト」の類似パターン。

③一部語句を省略した表現
「ウイルス対策ソフト 無料」と「ウィルスソフト 無料」

④類義語や言い換え
「バイク」は「オートバイ」の類義語と判断。

⑤検索意図が同じ語句
「無料素材 画像」と「フリー素材 画像」は、検索意図が同じ語句と判断。

引用:完全一致について(Yahoo!広告ヘルプ)

表記違いによる広告の表示

変換ミスや省略形、漢字・ひらがな・カタカナの表記違いなど、検索語句と検索キーワードの表記が違う場合でも、同じキーワードであると判断した場合は、広告を表示します。この機能により、少ないキーワードの登録でも配信機会の増加が期待できます。

分類検索クエリ検索キーワード
変換ミスほnほん、本
省略形バスケバスケットボール
 ワンピワンピース
表記違いヴァレンタインバレンタイン
 せんたっき洗濯機
漢字・ひらがな・カタカナ表記ネコ
 タケノコたけのこ、筍、竹の子
送り仮名の違い引越引っ越し
 結婚祝い結婚祝
語順の違い(完全一致の場合)そば 信州信州 そば
検索の意図に影響しない機能語(助詞、接続詞など)(完全一致の場合)冬の花火冬 花火

引用:完全一致について(Yahoo!広告ヘルプ)

優先される順番【上級者向け】

検索広告はユーザーが検索した際に裏でGoogle(Yahoo!)がオークションを行い表示される広告が決まります。

同じ広告アカウントで複数の登録キーワードにヒットした際でもアカウントからは1つのキーワードしかオークションに出されません。

その際、どの登録キーワードがオークションに出されるかに以下の優先ルールに基づいて決まります。

1.検索語句と同一の完全一致キーワード
2.検索語句と同一のフレーズ一致キーワードと部分一致キーワードまたは検索テーマ
3.人工知能に基づくキーワードの優先順位付け
4.広告ランクが高いもの

画像引用:Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて(Google広告ヘルプ)

要するに、まず完全一致が優先され、ヒットしない場合は登録キーワードと一致するものが選ばれ、それでもヒットしない場合は広告ランクの高いものから配信されていきます。

なお例外のルールとして予算が制限されていたり、キーワードの検索ボリュームが少なかったりした場合は優先ルールは適用されません。

マッチタイプとCPC

ここまでの説明の中で「どのマッチタイプがいいのか」が気になったかもしれません。

しかし結論は「一概には言えず、商材やタイミングによってケースバイケースである」です。
(そもそもマーケティングが前提条件の違いで結果も変わってくるのでコレをやればOKというのはなかなか存在しません。)

過去弊社の事例では、インテントマッチの方がCPAが安くなったケースも高くなったケースも両方ありましたし、完全一致を入れることで成果が改善した事例もあります(↓)。もしよかったらご参考にください。

Web広告の世界では、オークションに参加する広告主が多いほど高い価格で入札する必要があるという原則があります。

そのためCPC(クリック単価)という観点では一般的に「完全一致>フレーズ一致>インテントマッチ」の順に安価になっていくことも原理原則だと言えるのではないでしょうか。

マッチタイプとトークン数

Yahoo!社の公式ラーニングポータルではマッチタイプを決める際にトークン数*に注目することを推奨しています。

*トークン数とは、検索キーワードを構成する単語や文字列の数を指します。「マッチタイプ 違い」なら2トークン、「マッチタイプ 運用 ベストプラクティス」なら3トークン。

1トークン→完全一致
2トークン→フレーズ一致、インテントマッチ
3トークン以上→インテントマッチ

画像引用:検索広告 推奨運用(六連)資料(LINEヤフー運用テクニックコラム)

これから私たちはAIと共存していく必要があり、マッチタイプによる配信拡大と検索ボリューム数との塩梅をうまく取っていく必要がありそうです。

(実際、Google社も機械学習とインテントマッチは併用すべきと公言しております。)

まとめ

今回は検索広告のマッチタイプについて、公式ページを引用しつつ、まとめました。

今後インテントマッチが主流になっていくことはほぼ確実かと思いますが、完全一致やフレーズ一致の方が成果の良い企業もまだまだあることも事実です。

自社の商材に適したマッチタイプを選択し、広告配信してみてください。

またSPENDAでは、Web広告のチェックリストなど、さまざまなお役立ち資料を無料で配布しております。もしよかったらダウンロードしてご活用ください。

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