「一通り改善を行ったので、これ以上リスティング広告のCPAは下がらない」
Google広告、Yahooプロモーション等のリスティング広告の運用を行ってきてそう思った事のある運用者の方は多いのではないでしょうか。
今回はGoogle広告のリスティング広告運用について、長期間かけて改善施策に取り組み、実際に成果が改善した事例をご紹介します。
検索語句(クエリ)の未登録キーワードの確認とキーワード登録
リスティング広告で検索クエリの結果を見て、未登録のキーワードを追加する作業は、ほぼすべての運用者が行っていることでしょう。Google広告ではご存知のとおり、検索語句の一覧結果より未登録のキーワードにチェックを入れて、追加ボタンを押すだけでキーワードとして追加登録できる便利な機能があります。

もちろん闇雲にすべて登録するのではなく、重複したり抜け漏れがないように2語、3語の掛け合わせキーワードに調整してから調整するべきですね。
キーワードのマッチタイプは部分一致が大半を占めますが、絞り込み部分一致として単語に「+」をつけているアカウントも多いでしょう。
また登録したいキーワードが、3語以上の掛け合わせで検索ボリュームが少なそうと思えば、1語だけ「+」を付けずに登録して幅を持たせます。
そして、類似キーワードではあるけどCVに繋がらなそうな語句(目的が違うもの等)は、除外キーワードとして登録します。
キーワードのマッチタイプは部分一致が大半を占めますが、絞り込み部分一致として単語に「+」をつけているアカウントも多いでしょう。
また登録したいキーワードが、3語以上の掛け合わせで検索ボリュームが少なそうと思えば、1語だけ「+」を付けずに登録して幅を持たせます。
そして、類似キーワードではあるけどCVに繋がらなそうな語句(目的が違うもの等)は、除外キーワードとして登録します。
キーワードを追加していったことによる改善効果を測る
弊社が運用するアカウントでは「検索クエリと登録キーワードの完全一致率が90%以上をKPIとする」というルールを設けています。(マッチタイプ「完全一致」ではなく、上図の検索語句=キーワードのことです) 実際にキーワード追加を繰り返して、1年後にどう結果に表れたかを見てみます。
(100%純粋な比較は難しいという前提ですが)
あるアカウントにおける2018年と2019年の各月の結果を比較してみます。
出稿額やその他の条件が昨年同月と比較してあまり変わっていないアカウントを選んでいます。 評価対象の指標は下記の2つです。
これをBIツールTableauを使って可視化してみます。
1.クリック数>0のキーワード(Click>0_KW)

各月で比較してみると、確かに2019年のほうが2018年より増えています。
定期的にキーワードを追加したことにより、クリックが発生したキーワード数も自然と増えていきました。
次にCVを獲得したキーワード数の結果を見てみましょう。
2.CV>0のキーワード数(CV>0_KW)
定期的にキーワードを追加したことにより、クリックが発生したキーワード数も自然と増えていきました。
次にCVを獲得したキーワード数の結果を見てみましょう。
2.CV>0のキーワード数(CV>0_KW)

こちらでも2019年のほうが2018年よりも多いという結果が出ています。
ちなみにこのアカウントのクリック数とCV数のデータは下記のとおりです。


・クリック数の昨年比較は月ごとによって増えたり減ったりしている(CPCとキャンペーンごとの予算配分が多少異なる影響もあり)
・CVはほぼすべての月で増えている(多少の外的要因もあり)
つまり、アカウント全体のクリック数は増えていないけど、 全体CV は増えており、その一因として検索クエリに一致した登録キーワードが増えた影響(除外キーワード登録も実施)が考えられるということになります。
キーワード増加による改善効果を考察
検索クエリの結果より登録キーワードを増やすことで、CVの増加に繋がる可能性について考察してみます。検索クエリの未登録キーワードを追加登録することで、
(1)マッチ率が上がって品質スコアの上昇に繋がりやすい⇒CPC低下に直結しやすい
(2)キーワード別の結果が蓄積されるので、自動入札の最適化に繋がりやすい。また運用者が分析する際に判断しやすい
という影響が推察されます。
(1)は品質スコア(広告ランク)の良くなってCPCが低下すれば、同じ予算で獲得できるクリック数も増えるからCV数も増える(CVRが同じと仮定すれば)という因果ですが、起こり得そうですね。
(2)も、自動入札の重要性が高まってきている最近の運用傾向に沿って必要とされているだけでなく、運用者が分析を行う際に一致したキーワードであるほうが、運用判断や個別調整がしやすくなることも確実に当てはまるでしょう。
もちろん、それを上回るマイナスな外的要因によって成果が改善しないアカウントも存在しますが、この施策は労力さえかければ良い機械的な側面もあり、やはり確実性が高いと言えるでしょう。
したがって、十分に行う価値のある改善施策と言えます。
定期的にこの作業を行うのは大変な為、実際に実行しているアカウントは驚くほど少ないことが現状です。
しかし、「ちりも積もれば山となる」というとおり、このように数値に現れてくるのであればやはり行ってみるほうが良いでしょう。
Google広告の検索語句を侮ることなかれ
検索語句の結果から登録キーワードを増やすという、作業自体は難しくない改善施策をご紹介してきました。これまで複数のアカウントでこの施策改善を行い、低下したCPAの低下幅を見る限りでは、CPAは1.5~2倍かそれ以上違っていると思います(予算規模にもよりますが)。
この作業をどのように効率化するかという問題もありますが、まずは「検索クエリと登録キーワードの一致率を90%以上にすることをKPIとする」というアカウントづくりをしてみるのも良いかもしれません。
また、SPENDAはGoogle広告の運用改善が得意な会社です。
現在の運用でまだ伸ばせるところはあるか、広告アカウントの無料診断を実施しています。
ご興味がある方は是非こちらからお問い合わせください。
SPENDAのGoogle広告運用についてはこちらのサービスページをご覧ください。