Googleから最近発表された「Veo3」は、Google WorkSpaceユーザーでも1日3回くらいまで利用できるようになりました。
高品質な動画を生成AIで作れるようにより、みんな注目しているでしょう。
しかし、単純にプロンプトを入力するだけでは、実際のビジネスや個人のニーズに合った動画を作ることは難しいのも実感している方も多いでしょう。
そこで今回は、実際にVeo3を使用した経験から得られた、効果的な動画制作のためのポイントをご紹介します。
Veo3とは? AIが生み出す新しい動画制作の可能性
Veo3は、Googleが開発したAI動画生成モデルです。テキストプロンプトから高品質な動画を生成することができ、従来の動画制作に比べて圧倒的にコストを抑えることができます。
実際にコードを打ち込んで試しに作成してみた動画の様子は下記です。

実際に大手企業で、今まで20人以上のチームでプロモーション用の映像を制作していたのが、Veo3を使うことで担当者2人でも品質を落とさずに進めることができたという事例もあります。
動画制作の前に、企画を考えてシーンごとの詳細演出に落とし込む作業もありますが、それらもGeminiを使って生成AIに考えさせることが可能なのです。
その手順を下記に示します。
①企画、コンセプトを考える
まずは、動画制作の方向性を決めるために企画、コンセプトを考えることが最初に行うことですが、項目別に分けると次のようになります。動画の目的を明確に設定する
まず最初に「目的」、つまりこの動画を作ることで何を達成したいかを具体的に決めます。商品の認知を上げたい、ウェブサイトへの誘導を強化したい、チャンネル登録者を増やしたいなど、目的によって動画の構成や演出は大きく変わってきます。2つ、3つで迷う場合も優先順位を明確にしておくのが重要です。
ターゲット視聴者を具体的にイメージする
「誰にこの動画を届けたいか」を考えます。20代の女性で美容に興味がある人、プログラミング初学者、特定のゲームのファンなど、できるだけ具体的にペルソナを描く必要があります。ターゲットが明確であるほど、適切な言葉選び、演出、内容の深さを決めることができます。
動画のジャンルと形式を選択する
目的とターゲットが決まったら、動画の形式を選びます。商品レビュー、ハウツー・チュートリアル、Vlog(ビデオブログ)、ゲーム実況、対談・インタビューなど、それぞれ最適な方法が異なります。ターゲット視聴者に好まれる形式を選ぶことで、視聴継続率と満足度を高められるので、ここも入念に考えて計画していきます。
コアメッセージを一つに絞る
視聴者に最も伝えたいメッセージをまず一つに絞ります。「この化粧水で肌はこんなに変わる」「Pythonの基本が5分でわかる」のように、シンプルで分かりやすい核心的なメッセージを設定します。複数のメッセージを盛り込むのは後からでもできるので、まず一つに絞ります。
差別化要素で独自性を演出する
同業他社や他の類似動画との違いを考えます。独自の視点や切り口、より詳しい解説、エンタメ性の高さ(ユーモアなど)など、あなたの動画ならではの価値を設定します。この差別化要素があることで、視聴者があなたの動画を選ぶ理由が生まれ、記憶に残りやすい動画になります。
これらの企画内容を生成AIで打ち出すための、実際のプロンプト例は下記です。

②台本と構成を作る
次に台本と動画の各シーンの構成を考えていきます。取り組みやすい方法として、PASONAの法則(問題提起→共感→解決策)やPREP法(結論→理由→具体例→結論)などの構成パターンを活用することがあげられます。
一番重要なのが冒頭での惹きつけ(フック)で、最初の5〜15秒で衝撃的な事実や質問を提示したり、動画のハイライトを見せることで視聴者の心をつかむのが良くあります。
買い具体的なセリフは一字一句書き起こした台本か、要点をまとめた箇条書きで準備して、BGM・効果音で動画の雰囲気を演出して視聴者を惹きつけます。
テロップ・字幕はキーワードの強調したい時や専門用語の解説を入れることで、視聴者の満足度が上がるのでできるだけ入れるようにします。
そして最後に「詳細はこちらをご覧ください」などリンク付きのボタンを付けて、視聴者にアクションを促します。
| 項目 | 説明 | 設定例 |
| 動画の構成 | 動画全体の流れ。 | ・PASONAの法則:問題提起→共感→解決策・PREP法:結論→理由→具体例→結論 |
| 冒頭のフック | 最初の5〜15秒で視聴者の心を掴む要素。 | ・衝撃的な事実や質問を提示する・動画のハイライトを最初に見せる |
| 具体的なセリフ | ナレーションや出演者が話す内容。 | ・一字一句書き起こした台本・話す要点をまとめた箇条書き |
| BGM・効果音 | 動画の雰囲気を演出し、視聴者の感情を動かす音。 | ・明るく楽しい曲・緊迫感を煽るBGM・笑い声や拍手などの効果音 |
| テロップ・字幕 | 重要なポイントを視覚的に強調する文字情報。 | ・キーワードを大きく表示・専門用語の解説・全編に字幕を入れる(聴覚障害者向け配慮) |
| CTA | 視聴者に取ってもらいたい行動の喚起。 | ・「チャンネル登録お願いします!」・「詳細は概要欄のリンクから」・「コメントでご意見お聞かせください」 |

③投稿に向けて最適化する
制作した動画を投稿する際に、タイトルや訴求内容を考えるのも重要です。タイトルは「【初心者必見】〇〇を始めるための5つのステップ」「【衝撃】〇〇を使ってみたら人生変わった」のように、視聴者がクリックしたくなるとか、検索されやすいキーワードを含めて設定します。
サムネイルでは魅力的な人物写真やビフォーアフター画像、目立つキャッチコピーで動画内容を一目で理解できるよう工夫します。
概要欄には動画内容の要約、使用した商品やサービスのリンク、関連動画への導線を記載し、タグでは動画のメインテーマから具体的なキーワードまで、YouTubeであればそこのアルゴリズムに沿った設定を行います。
公開スケジュールはメイン視聴者の行動パターンに合わせ、社会人向けなら平日の夜、学生向けなら週末の午後など、最も視聴されやすいタイミングを選択します。こうようなことを考えてPDCAを回し続けることで、動画を見てくれる視聴者と視聴継続率を伸ばすことができます。
長期的なチャンネル成長につなげるためにも、このサイクルは繰り返し行っていきます。


①【自社で撮影】 メインの語り部分を撮影する。
②【AIに依頼】各シーンの短い映像(5〜10秒)を複数生成する。
③【自社で編集】 撮影したメイン映像に、AIが生成したクリップを挿入
長尺の動画になるとメイン部分は今までどおり作成して、オープニングとエンディング用にVeo3で作成を試みたり、途中のポイントでも挿入動画を差し込むためにVeo3を活用しています。

その中でVeo3とGeminiは今まで人間が行っていた作業を一瞬で代行してくれるので、とても助かっています。
今後もさらに使い方を極めて、色々なジャンルでの動画制作を試していきます。
まとめ
Veo3は革新的なツールですが、うまく仕事にあてはめていくには使い方をしっかり見定めていく必要があります。短いシーンへの分割、音声の後付け、編集ツールとの組み合わせなどのポイントを抑えることで、少人数で短時間で対応することができるようになります。
その結果として、高品質な動画を量産できればまずは成功といえるので、それに向けてしっかりノウハウを蓄積しながら使い続けていきたいと思います。
今回の記事がVeo3を利用しようとしている方の参考になれば幸いです。


