こんにちは、株式会社SPENDAの中都です。
Google広告、Google Analytics4を使っていて、
「拡張コンバージョンってよく聞くけど、設定が難しそう…」
「Cookieが使えなくなるって聞いたけど、これからどうすればいいの…」
「チームに説明したいけど、自分自身が拡張コンバージョンをちゃんと理解できていない…」
というお悩みはございませんか?
本記事では、多くの広告主が利用しているGoogle広告の拡張コンバージョンを、GA4の自動データ収集機能を使って実現する方法をご紹介いたします。
従来はGoogle広告の「コンバージョン設定」でしかできなかった拡張コンバージョンの設定ですが、最近になってGoogle広告側だけでなくGoogle Analytics4側でもできるようになっています。
その設定手順はシンプルですが、正しく設定できているか確認するために押さえておくべきポイントがあります。今回はそれを本記事で詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
拡張コンバージョンとは?
拡張コンバージョンとは、Cookie(ウェブサイトがユーザーの訪問履歴や行動データを一時的に保存する仕組み)に依存せずに広告の効果を正確に測定する手法です。問合せや申込時にユーザーが入力するメールアドレスや電話番号といった情報をハッシュ化(匿名化)して利用し、広告を見たユーザーの行動を追跡します。
これにより、Cookieが制限される環境でもデータを補完し、広告の成果を把握することが可能です。特に、プライバシー規制が強化される中で、より正確なトラッキングを実現し、マーケティング効果を最大化する方法として注目されています。

拡張コンバージョンを導入するメリット
より正確なコンバージョン測定
Cookieが制限される環境でも、フォーム入力などから得られるユーザーデータを匿名化して補完するため、データの欠落が減り、測定精度が向上します。これにより、機械学習モデルも高精度な予測が可能になり、CPAの抑制や広告費用対効果の向上が期待できます。
プライバシー保護と広告効果の両立
拡張コンバージョンでは、メールアドレスや電話番号などの個人情報が必ず匿名化されて処理されます。これにより、ユーザーのプライバシーを守りつつ、正確な広告効果の測定が可能です。プライバシーと精度を両立させる点は、今後のマーケティング活動において非常に重要な要素といえるでしょう。
長期的な広告運用の安定性
Cookieに依存しないデータ収集基盤を構築することで、将来のプライバシー規制や技術変化に柔軟に対応できます。拡張コンバージョンは、短期的な成果だけでなく、長期を見据えて広告運用の安定性を支える重要な仕組みとなります。
なぜ拡張コンバージョンが重要なのか?
拡張コンバージョンが重要なのは、対応することで得られるメリット以上に、対応しないことによるデメリットが明確に表れるためです。
3rd Party Cookieがユーザーの行動を追跡できることから、プライバシー侵害につながるという認識が強まり、Googleは2022年までに段階的に3rd Party Cookieを廃止することを公表していました。
2022年に予定されていたサードパーティクッキーの廃止は実現せず、その後も2023年後半、2024年後半、さらには2025年の早い段階へと延期が続きました。さらに2024年7月には「3rd Party Cookie廃止の撤回」が発表されるなど、状況は混迷を極めています。
▼参考:A new path for Privacy Sandbox on the web
https://privacysandbox.com/news/privacy-sandbox-update/
これらの事実は、拡張コンバージョンへの対応が必須から任意になったとも捉えることができます。
一方で筆者は、プライバシー問題への風当たりやトレンドは逆行することはないと考えており、拡張コンバージョンは依然として対応すべき業務だと考えております。
GA4で設定する拡張コンバージョンとは?
ここから本題となる具体的な手順のパートに進んでいきます。
拡張コンバージョンの実装方法は計測するWebサイトの環境によって異なるため、難しいと感じるケースもあります。特に、カスタマイズが必要な場合や複数のシステムを連携させる場合には、ハードルが高くなりがちです。
この記事で紹介する拡張コンバージョンは、従来の「問合せ時に取得したメールアドレスや電話番号を広告媒体側に返す方法」と基本的には同じ考え方に基づきます。ただし、従来はフォームの内容と項目(例:メールアドレス)を広告主側で手動設定して紐づける必要がありました。
今回の方法では、GA4の自動検出機能を活用して紐づけを行うため、手動設定を減らし簡便化できる点が特徴です。ただし、自動検出のため、従来の方法ほどの確実性が得られない場合があります。この点を踏まえたうえで、導入を検討してみてください。
GA4で拡張コンバージョンを設定する方法
事前にGA4の注意事項を確認しておけば、設定手順は非常にシンプルで、短時間で完了します。注意事項は下記ページにまとまっていますので、実際に設定する際はご確認をお願いします。
▼[GA4] ユーザー提供データの収集
https://support.google.com/analytics/answer/14077171?hl=ja
①GA4を開く
②設定 > 「データの収集と修正」>「データの収集」を選択
③「ユーザー提供データの収集」、「自動検出されたユーザー提供データを収集する」のトグルをオン
*1初回の場合はトグルが登場せず、「オンにする」というボタンが出てきます。
*2ユーザー提供データを自動検出するようにGoogleタグが設定されている必要があります。
これで設定は完了です。

設定完了できているか確認する方法
ここからが重要ですが、実際にメールアドレスが無事に送られているか確認します。
Webサイトの構造によってはGA4上では設定してもデータ取得できない場合があるからです。
確認手順
①拡張コンバージョンが設定したウェブサイトにシークレットブラウザでアクセスする。
②検証モード(右クリック→「検証」)を開き、「Network」を選択。「Preserve log」にチェックをつける。
③フォームにてテスト送信をする。
④フィルターにて「em=」と入力し、「collect?v=2〜〜〜」を選択する。
⑤「em」にハッシュ化された文字列。「en」にコンバージョン名が登録されていれば設定ができている。
もしうまくいかない場合
うまくいかない場合、主に下記の理由が考えられます。
・GA4の設定が間違っている、Googleタグが入っていない
・フォーム側の問題で、メールアドレスをGA4側が自動検出できない
・iframeなどによって埋め込まれたフォームを利用している
特に2番目と3番目に関しては、サイト上の問題であり、こちらから設定することはできないため、従来の拡張コンバージョンの設定をお勧めいたします。
最後に
拡張コンバージョンは、Cookieに依存しない広告効果測定の手法として、今後のマーケティング活動において欠かせない存在です。特に、プライバシー規制が強化される中で、データの欠落を補完しながら正確なコンバージョン測定を可能にするこの仕組みは、広告費用対効果の向上や長期的な広告運用の安定性に寄与します。
本記事では、GA4の自動データ収集機能を活用した簡単な設定方法や確認手順をご紹介しましたが、成功の鍵は、サイト環境に合わせた正確な実装とテストにあります。ぜひ、本記事を参考に拡張コンバージョンを導入し、次世代の広告運用に一歩踏み出してみてください。
弊社では、広告運用だけではなく、計測環境の整備を含むデータ活用の支援も行っています。ご相談は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!