Google広告の類似オーディエンスがなくなるというニュースは、Google広告を利用するユーザーにとって大きなニュースでした。しかし、この変更はGoogle広告の運用の最新の変化を見直す良いきっかけとなり、さらに高精度な運用をできるきっかけにもなります。そこで、今後Googleが推奨する戦略とそれに代わる新たな戦略が何なのか、様々な情報を元にまとめてみました。
Search Engine Landの英語記事が割と最新に近い情報として、多いに参考にしました。
(若干日本語で読みづらい箇所もあるかもしれません)
Google広告の類似オーディエンスの終了とその影響

Google広告の類似オーディエンスは、広告キャンペーンのスケールと品質を向上させる際に用いられる便利なオーディエンスでした。しかし、2023年8月1日からこの機能は利用できなくなります。この変更に適用するには適切な代替案を講じる必要があります。
Googleが推奨する戦略
Google 広告が提供するデータは高精度であり、類似オーディエンスがなくなった後は、自動化、機械学習、アルゴリズムの各プロセスを理解して、アカウント設定と運用を適切な方向に調整することでパフォーマンスを落とさずにいられます。
スマート自動入札の活用
基本的にはファーストパーティデータを活用することで、より精度の高いデータとなりスマート自動入札を促進できます。Google の機械学習の機能を使って価値のある顧客や潜在的な消費者を積極的に探し出すことができます。
最適化ターゲティングの使用
最適化ターゲティングは、広告主が提供するデータセグメントを活用するのではなく、過去のコンバージョンデータ(ユーザーが広告をクリックしたり、商品を購入したりする行動)を使って、次にコンバージョンする可能性が高いとユーザーを対象にリストを作成します。これは、類似のユーザーを対象とするよりも高精度で、広告主が達成したい目標を実現しやすくなります。
良く使われるものとしては、コンテンツターゲティングや特定地域などのデータがあります。Googleは豊富な検索データを基に広告主が提供するデータセグメントの範囲を超えて、より多くの潜在/顕在ユーザーに広告を表示できます。
Googleのディスプレイキャンペーンとディスプレイ&ビデオ360キャンペーン全体で最適化ターゲティングを使用している広告アカウントでは、自社データを使用すると指定されたキャンペーン目標に対して55%の改善実績が得られ、Googleオーディエンスを使用すると、最適化ターゲティングが広告のパフォーマンスを向上できることが実証されています。
Googleが推奨する戦略を超えて
Googleが推奨する戦略以外にも、いろいろと試せることがあります。

カスタムセグメントの追加とテスト
カスタムセグメントの追加とテストは、類似オーディエンスの終了後も有用な戦略となります。キーワードによるカスタムセグメントを作成し、検索広告でCVに繋がりやす検索クエリを検索したユーザーを対象にすることができます。場合によっては、それらをキャンペーンタイプ全体に適用し、検索クエリに含まれるキーワードや類似したキーワードを検索するユーザーや、それらに関連する興味や購買意欲を示すユーザーに広告が表示されるようにできます。
既存のウェブサイトを使用したURLベースのカスタムセグメントターゲティング
既存のウェブサイトを使用したURLベースのカスタムセグメントターゲティングは、CVなどの目的に最も近いユーザーを特定し、「類似したウェブサイトを閲覧する」というオプションを使用してカスタムセグメントを作成できます。これによって、競合他社のサイトを閲覧しているようなユーザーにもリーチすることができます。Google広告画面内のオーディエンス設定でカスタムセグメントを作成して、広告を表示することもできます。
スマート自動入札とその機械学習能力

スマート自動入札とその機械学習機能は、戦略的に使用すると強力なツールになります。特に、コンバージョン値を追加するか、オフラインコンバージョンをインポートすることでも目的を達成できます。
コンバージョン値の追加とオフラインコンバージョンインポート
Google広告のコンバージョンアクションにコンバージョン値を追加することで、価値の高いユーザーをターゲットに広告を配信できます。スマート自動入札の機械学習機能においてそれらのユーザーの優先順位が高いことを伝える役割を果たします。また、「コンバージョン値の最大化」スマート入札戦略を使用すると、リアルタイムのデータを活用して最も価値の高いコンバージョンアクションを行う新規ユーザーを見つけ出せます。さらに、オフラインコンバージョンのインポートは、企業が取得したデータをGoogle広告と共有し、どのターゲティング戦略が収益を向上させているかを理解するのに有用です。これはスマート入札アルゴリズムに高品質のシグナルを提供し、高品質なオフラインコンバージョンアクションを最適化するためのシステムトレーニングに役立ちます。
Googleへの高精度なデータの提供
Googleへ高精度なデータを提供することは、Googleの類似オーディエンスの終了の流れと連動しています。これにより新しいユーザーを探す方法が変わるかもしれませんが、ユーザーのプライバシーを尊重することができます。セキュアなデータを提供し続けることで、ビジネスやクライアントに求められる結果を達成しやすくなります。
新たなツールの探索と活用
Google広告の機能が変わっても、私たちはツールを使いこなしているわけではなく、私たちが持っているものを新たな、または異なる方法で使う必要があるということを意味します。Google広告の類似オーディエンスをやめたとしても、そのターゲティング能力を維持し、さらに強化するための方法はまだ多くあります。
まとめ
Google広告の類似オーディエンス機能が2023年8月1日から利用できなくなる変更に対応するための方法を紹介してきました。
Googleが推奨する戦略は、高品質なファーストパーティデータを提供し、スマート自動入札を活用することです。また、ディスプレイ、ディスカバリー、動画キャンペーンは、最適化ターゲティングの使用を推奨しています。
それを超えた新たな戦略として、カスタムセグメントの追加とテスト、通常のウェブサイトを利用したURLベースのカスタムセグメントターゲティング、スマート自動入札とその機械学習能力の活用などを提案しています。
これらの戦略を活用すれば、Google広告の類似オーディエンス終了後も、ターゲティング精度を維持し続けることができます。新たなツールを探して活用することで、広告の成果を最大化するヒントになれば幸いです。