文字起こしAI「Whisper」徹底ガイド:基本から活用まで

こんにちは。SPENDAの伊藤です。
OpenAIが開発した高性能な文字起こしAI「Whisper」
今回は、Whisperの基本的な使い方から、ビジネスや日常生活での活用方法、APIの利用まで、幅広く解説します。
本記事を読むことで、Whisperの無料での利用方法や他の文字起こしツールとの違いが分かり、最適な活用方法が見つかります。

Whisperとは?その魅力と基本機能

OpenAIが生んだ革新的音声認識AI

Whisperは、OpenAIが開発した革新的な音声認識AIであり、その高精度な文字起こし能力で注目を集めています。
従来の音声認識技術と比較して、Whisperは雑音の多い環境や多様なアクセントにも対応できる優れた性能を持っています。

これは、OpenAIが収集した膨大な量の音声データと高度な機械学習アルゴリズムによるものです。
さらに、Whisperはオープンソースとして公開されており、研究者や開発者が自由に利用、カスタマイズ、改善できる点も大きな魅力です。 Whisperは音声認識技術の民主化を促進し、さまざまな分野での応用を可能にしています。

従来の音声認識技術では難しかった、普段な会話の文字起こしや専門用語を含む音声の認識も、Whisperならば高精度で実現可能です。

多様なモデルサイズで用途に合わせた選択

Whisperは、tiny、base、small、medium、largeといった、複数のモデルサイズを提供しています。
これにより、ユーザーは自身のニーズや環境に応じて最適なモデルを選択できます。

より高い精度が求められる場合にはlargeモデルを選択すれば、より詳細で正確な文字起こし結果を得ることが可能です。
これらのモデルはGoogleColaboratoryなどのクラウド環境で簡単に利用できて、特別なハードウェアやソフトウェアの準備は不要です。

Whisperの可能性:ビジネスから日常まで

Whisperの応用範囲は非常に広く、ビジネスから日常まで、さまざまなシーンで活用できます。
例えば、議事録作成にWhisperを活用することで、時間と労力を大幅に削減してより重要な業務に集中できます。

また、顧客とのMTGでも通話内容を正確に記録することで、詳細の要望や発言を後で確認することができて満足度の高い対応に繋げることができます。

その他にも、講義や講演会の記録、個人的なメモの作成、音声コンテンツの文字起こしなどに使えます。
多言語にも対応しているため、外国語の学習にも役立ったり、非常に汎用性の高いツールです。

ビジネスで活かす!Whisperの応用

議事録作成を効率化

会議や打ち合わせの議事録作成は多くの時間と労力を要する作業ですが、Whisperを活用することで時間短縮できます。

Whisperは、会議中にリアルタイムで音声をテキストに変換できるため、手動でメモを取る必要がなくなります。
また、録音された会議の音声データを後からWhisperに入力することで、自動的に議事録を作成することも可能です。

作成された議事録は編集や共有が容易なテキスト形式で出力されるため、参加者への配布や後日の参照もスムーズに行えます。
発言者が複数いる場合に1人1人の識別は難しいですが、話者分離(Diarization)のツールやライブラリを組み合わせることで実現可能な場合もあります。

研修資料、教育コンテンツの作成

Whisperを活用することで、研修資料や教育コンテンツも作成できます。
講義やセミナーの音声をWhisperで文字起こしして内容を整理することで、教材として活用できていつでも編集や内容追加が可能です。
Whisperは多言語に対応しているため、英語の講義を日本語に翻訳したり、日本語の教材を英語に翻訳したりすることが可能です。
海外向けの事業を展開されている企業であれば、複数の国への研修コンテンツや教育教材の作成も効率良く作成できます。

Whisperの環境構築と使い方

Google Colabで簡単セットアップ

Whisperを始めるにあたって、最も手軽な方法の一つがGoogle Colaboratory(Colab)を利用することです。
Colabは、Googleが提供するクラウドベースのJupyter Notebook環境であり、無料で利用できます。

手順としては、Colabのノートブックを開いて必要なライブラリ(transformers, torch, librosaなど)をインストールします。
そしてWhisperのモデルをダウンロードし、音声ファイルをアップロードします。
あとは、簡単なPythonコードを実行するだけで、文字起こしが完了します。ColabはGPUも利用できるため、大規模なモデルを使用する場合でも高速な処理が可能です。

文字起こしの手順

Whisperを使うには、まず文字起こししたい音声ファイルを準備します。
音声ファイルの形式は、mp3, wav,m4aなど、一般的なものが利用できます。
そして、Whisperのプログラムに音声ファイルを読み込ませて文字起こしを実行します。

具体的な手順としては、PythonのコードでWhisperのモデルをロードし、音声ファイルを指定して、transcribeメソッドを実行します。この際、使用するモデルのサイズや言語などを指定することも可能です。

文字起こしが完了すると、テキストデータが出力されます。

実行時の最適設定と精度向上のコツ

Whisperをより効果的に活用するために、できるだけクリアな音声データを用意することが望ましいです。
ノイズが多い場合は、ノイズ除去ツールなどを用いて、事前にノイズを低減させましょう。

また、Whisperには複数のモデルサイズがありますが、より高精度な文字起こしを求める場合はlargeモデルを選択することが推奨されます(処理に時間はかかりますが)。

その他、特定の単語やフレーズを頻繁に使用する場合は、カスタム辞書を作成することで認識精度を向上させる工夫を行うことで精度が上がります。

Whisper APIの料金と活用事例

APIの料金体系とプラン

WhisperAPIの料金体系は、利用量に応じて課金される従量課金制です。
具体的には、文字起こしする音声データの長さに応じて料金が計算されます。

OpenAIは、無料枠も用意しており、初めてAPIを利用するユーザーは、無料でWhisperの機能を試すことができます。
無料枠の範囲内で、APIの性能や使い勝手を評価し、本格的な利用を検討することができます。
詳細な料金体系やプランについては、OpenAIの公式ウェブサイトで確認することができます。
料金は、モデルのサイズや利用状況によって変動するため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
また、OpenAIは、利用状況に応じて最適なプランを提案してくれるため、相談してみるのも良いでしょう。

APIを活用した文字起こしサービス

WhisperAPIを活用した文字起こしサービスが数多く登場しており、Whisperの高度な音声認識機能をベースに、独自の機能やUI/UXを提供しています。

例えば、writeout.aiは、自動で文章を翻訳してくれる機能が搭載されています。
AIGIJIROKUは、会議に特化した文字起こしサービスで、発言者識別や議事録作成支援機能が充実しています。
RimoVoiceは、リアルタイムでの文字起こしに強く、オンライン会議やイベントでの利用に適しています。
Nottaは、多言語対応が充実しており、海外とのコミュニケーションが多い企業に最適です。
スマート書記は、AIによる要約機能が搭載されており、議事録作成の効率化に貢献します。

これらのサービスは、それぞれ特徴や強みが異なるため、用途や予算に合わせて最適なサービスを選びましょう。

Whisper利用時の注意点と対策

機密情報の取り扱い

Whisperを利用する際には、機密情報や個人情報の取り扱いに十分な注意が必要です。
特にAPIを利用する場合は、データの暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策を行い不正アクセスが起きないようにする必要があります。

対策例として、文字起こしされたテキストデータは安全な場所に保管してアクセス権限を設定するとともに、不必要に長い期間保存しないなどの方法があります。
他にも学習データとして利用者の音声データを使用する可能性があるため、機密情報や個人情報が含まれる音声データの利用は避けるべきです。
どうしても利用する必要がある場合は、事前にデータの匿名化処理を行うことも検討しましょう。

環境構築のハードル

Whisperをローカル環境で利用する場合、環境構築やプログラミングの知識が必要になる場合があります。
特に、Pythonのインストール、必要なライブラリのインストール、GPUの設定など、初心者にとってはハードルが高い作業もあります。

環境構築に時間がかかり、なかなかWhisperを使い始めることができないという方もいるかもしれません。
そのような場合は、GoogleColaboratoryなどのクラウド環境を利用したり、APIを活用した文字起こしサービスを利用するのがおすすめです。
これらのサービスを利用することで、環境構築の手間を省き、すぐにWhisperの機能を利用できます。
また、これらのサービスは、初心者向けのチュートリアルやドキュメントも充実しているため、安心して利用できます。

著作権と利用規約

Whisperで文字起こししたテキストの著作権は、原則として作成者に帰属しますが、OpenAIに利用許諾が必要な場合もあります。

最初にOpenAIの利用規約に同意するのですが、利用規約にはデータの利用目的や著作権に関する条項が含まれています。
例えば、文字起こししたテキストを商用利用する場合は、著作権侵害に当たる場合もあるので注意しないといけません。
他者の著作物を無断で利用したり改変したりすると、著作権侵害に当たる可能性があります。
著作権法をしっかり遵守して、適切な利用を心がけましょう。

まとめ:Whisperで文字起こしを始めましょう!

Whisperは、高精度な文字起こしを誰でも手軽に実現できる強力なツールです。ビジネス、学習、エンターテイメントなど、様々な分野で活用できます。この記事では、Whisperの基本機能、環境構築、使い方、応用事例、注意点などを解説しました。Whisperを使いこなすことで、あなたの生活や仕事をより豊かにすることができます。本記事を参考にWhisperを使いこなし、より社内の仕組みや作業の効率化につなげて頂ければこれ以上の喜びはありません。
文字起こしは、情報収集、分析、共有など、様々な場面で役立ちます。Whisperは、あなたの可能性を広げるための強力なツールとなるはずです。

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