はじめに
検索広告の運用において、除外キーワードの設定はとても重要な作業です。
除外キーワードの設定は、検索広告で、自社の広告を表示させたくないクエリを設定し、無駄な広告費の消化を防ぐために行います。
この記事では、除外キーワードの設定に使用する、除外キーワードリストについて紹介します。
除外キーワードリストを活用することで、除外キーワード設定の作業省力化や効率化が図れますので、広告運用を担当している方はこの記事を参考にしてぜひやってみてください。
除外キーワードリストとは
除外キーワードリスト(Yahooでは対象外キーワードリスト)とは除外キーワードをリスト化した1つのグループです。
それぞれキャンペーンに紐付けることができ、紐付けたキャンペーンには、リスト内に設定してある除外キーワードが一括で適用されます。
除外キーワードリストの設定は、広告費の浪費を防ぎつつ、アカウントを効率的に運用するために使用することができます。
例えば、複数のキャンペーンにまたがって、同じ除外キーワードを設定する場合に、キャンペーン単位で除外キーワードを設定している場合には、キャンペーン、すべてに同じ設定をする必要がありますが、除外キーワードリストを使用している場合には、それぞれのキャンペーンに紐付けるだけで、一括で除外キーワードが設定できます。
一旦、除外キーワードリストを紐付ければ、複数のキャンペーンで、除外すべきキーワードを除外キーワードリストに1回設定するだけで設定が終わるのです。
具体的に、除外キーワードリストを使用したときのメリットを見ていきましょう。
除外キーワードリストを使うメリット
除外キーワードリストのメリットは、複数のキャンペーンに同じ除外キーワードを設定する場合に効率的な運用ができることです。
例えば、キャンペーンA、B、Cでそれぞれ「やめとけ」と言うキーワードを除外するとしましょう。
通常の除外キーワード設定の場合、キャンペーンAに「やめとけ」を除外キーワード設定し、キャンペーンB・Cもそれぞれ「やめとけ」という除外キーワード設定をします。
しかし、除外キーワードリストを作成して、キャンペーンA、B、Cにあらかじめ紐付けておけば、除外キーワードリストに「やめとけ」キーワードを登録するだけで、A、B、Cすべてのキャンペーンから「やめとけ」が除外されます。
また、「やめとけ」キーワードの除外設定を解除する場合には、除外キーワードリストから「やめとけ」を削除するだけで、A、B、Cすべてのキャンペーンから除外が解除されます。
そして、除外キーワードリストは、複数作成することができます。
たとえば、キャンペーンA、Cだけに設定するリストや、A、B、Cすべてのキャンペーンに設定する除外キーワードリストなど、複数の除外キーワードリストを使い分けて、除外キーワードを効率的に管理することができるのです。
それでは、実際に除外キーワードリストの設定方法を見ていきましょう。
ここでは、Googleの除外キーワードリストと、Yahoo!検索広告の対象外キーワードリスト(除外キーワードリストと同じ)の設定方法を紹介します。
除外キーワードリストの設定方法(Google)
除外キーワードリストを作成
① 運用画面右側ツール→共有ライブラリ→除外リストを選択
②除外キーワードリストの+をクリック
③リスト名と除外するクエリを設定し保存
除外キーワードリストをキャンペーンに関連付け
①運用画面左側のキャンペーンをクリック→検索キーワード→除外検索キーワードをクリックします
②リスト、左上の+ボタンをクリック
③「除外キーワードリストを使用」、追加先のキャンペーンを選択。リストを選択し保存
キーワードリストへの除外キーワードの設定方法
①ツール→共有ライブラリ→除外リストをクリック
除外キーワードを設定する除外キーワードリストをクリック
②右上のプラスボタンをクリックし、1行に1つずつ除外キーワードを入力、もしくは貼り付け保存を押して完了です。
この際、完全一致で除外する場合には[]を、フレーズで除外する場合には、””をつけて除外登録します(検索キーワードの登録と同じ)
対象外キーワードリストの設定方法(Yahoo)
対象外キーワードリストを作成
①運用画面右上のツールをクリックし、ライブラリ → 対象外キーワードリストをクリック
②「対象外キーワードリストを作成」をクリック→対象キーワードリスト名・対象外キーワードを入力し、作成を押す
対象外キーワードリストキャンペーンに関連付け
①すべてのキャンペーンからキャンペーン一覧を表示させ、「キーワード」→「対象外キーワード」をクリック
②「+対象外キーワードを追加」をクリックし、「対象外キーワードリストを関連付け」をクリック
③対象外キーワードリストを関連付けるキャンペーンを選択し、決定して進む
④関連付ける対象外キーワードリストを選択し、設定をクリック
対象外キーワードリストへの除外キーワードの設定方法
①運用画面右上の「ツール」→「対象外キーワードリスト」をクリック
②除外キーワードを追加する対象外キーワードリストを選択。「対象外キーワードリストを作成」をクリック。
③除外するキーワードを入力してマッチタイプを選択し、キーワードを追加。
その後「作成」ボタンを押して完了。
除外キーワードリストの活用例
具体的な除外キーワードリストの活用方法を紹介します
複数のキャンペーンの除外キーワードを一括で管理
例えば、A、B、C、Dの4つのキャンペーンがある場合、
すべてのキャンペーンで除外するキーワード
ABだけで除外するキーワード
BCDだけで除外するキーワード
などに分けて、除外キーワードリストを作成します。
それぞれのキャンペーンで、除外すべきキーワードを、それぞれの除外キーワードリストに登録することで、一括で対応ができます。
CPAが高いクエリを予算が少ない時に一時的に除外
CPAが高いもののCV獲得が見込まれるクエリを除外キーワードリストにまとめておくと、その時の目標に応じた運用が容易にできるようになります。
予算が少ない時にはリストを紐づけて除外し、費用対効果が良いキーワードだけに絞ったり、予算が多いときは、リストの紐づけを解除して1CVでも積み上げていくような、その時々の予算と目標に応じて一括対応が可能になります。
キャンペーンの性質ごとに、設定する除外キーワードリストを変える
例えば、指名系以外のキャンペーンで、指名キーワードを一括で除外するような時に使います。
キャンペーンA・Bが指名系キャンペーン、C・Dが非指名系キャンペーンだとしたら、
ABにのみ紐づけるリスト(競合商標などを除外)
CDにのみ紐づけるリスト(自社指名キーワードを除外)
といった形で、キャンペーンの性質に応じた一括での除外設定ができ、効率的な管理を可能にします。
同様に、キャンペーン間の広告出し分けにも有効活用できます。
地名掛け合わせキャンペーン以外のキャンペーンで地名を一括除外
アイテム名キャンペーン以外のキャンペーンでアイテム名を一括除外
など、意図しない広告の露出を防いで本来表示させたい広告を表示させるためにも、除外キーワードリストを活用すると容易に対応できるようになります。
まとめ:効果的な除外キーワードリストで広告効率を最大化
除外キーワードリストの設定は、検索広告運用において効率化とコスト削減を図る重要な手法です。
除外キーワードとは、広告を表示させたくない検索クエリを指定するものですが、リスト化することで複数キャンペーンへの一括適用が可能になります。
このリストを活用すれば、同じ除外キーワードを複数のキャンペーンで個別設定する手間を省き、設定や解除を一元管理できる点が大きなメリットといえます。
また、キャンペーンの性質に応じてリストを分けて使用することで、より細やかな広告運用が実現します。
例えば、予算や目標に応じて特定のクエリを一時的に除外したり、指名系や地名・アイテム別キャンペーンに特化した除外設定を行うことも可能です。
これにより、不要な広告の表示を防ぎ、効率的かつ柔軟な広告運用が可能となるでしょう。