こんにちは。SPENDAの高橋です。
広告運用の業務には、データ整理や資料作成などの煩雑な作業はつきものです。
運用画面からダウンロードしたファイルを集計したり、グラフにして見やすくしたり、運用報告書を作成したり、、、と。
もしかしたら、こういった業務が日々の業務の大半になってしまい、アカウントを確認する時間や運用判断などの、CVを伸ばすための業務がおざなりになってしまって、、、という経験もあるかもしれません。
そういった時に、AIを取り入れて業務を効率化しようとした人も多いのではないでしょうか。
私は、日々AIをフル活用しながら業務にあたる中で、Gensparkという業務サポートにおススメのAIを見つけたので、今回はそれを紹介します。
Gensparkを具体的に使ってみた実例を、その時に使ったプロンプトの紹介を織り交ぜつつ紹介します。
また、Gensparkがどのように業務を変えていき、今後どのような可能性がありそうかといった、AI業界の今後の動きについても解説します。
Gensparkとは?報告書作成における革新

AIエージェントというとわかりづらいかもしれませんが、たとえて言うなら、定型業務や雑用を代わりにやってくれる「AI秘書」「AIアシスタント」といったイメージです。
具体的に他のAIとどう違うのか、他AIとの比較表を作成してもらったので、見てみましょう。
以下の表は、ChatGPTのDeepResearchで調べてもらったものを、Claudeをつかってまとめたものです。
(Claudeでビジュアル化する方法はこちらの記事を参照)
このようにGensparkは情報収集能力が高く、Google検索と同じようなイメージで使用することができます。
ユーザーの問いあわせ(プロンプト)の答えになるものを検索して、Sparkpageと呼ばれるまとめページを作成してくれるので、ググってひとつひとつのページを見るのが不要になります。
さらにAIスライド(スライド自動生成機能)を使えば、収集したデータをそのままスライド化してくれます。
そのスライドをたたき台に編集することもできるので、資料スライドの下書きをGensparkが行い、出来上がったものを修正することで、資料スライド作成時間の短縮ができるのです。
また、Gensparkは集計・データ分析にも長けています。
実際に、ExcelファイルをアップロードするとGensparkが集計してくれて、アカウントの現状を報告してくれるだけでなく、改善提案までくれました。
私自身が使ってみた時も、自分の仕事を代わりにやってくれるAIの部下ができたかのようでした。
AIシートで実現!報告書作成の具体的な活用例
では、Gensparkを活用した報告書作成の具体例を見ていきます。
当記事では、Google広告の掲載結果レポートをAIが自動で生成する活用例と、Web上の情報をAIが収集・整理し、スライドとして出力する活用例を紹介します。
これらの実践例から、Gensparkによるレポート作成の省力化がどのように進められるのか、実際に確認していきましょう。
Google広告の月次レポートをGenspark AIシートで自動生成
今回試したのは、Google広告の月次レポートを自動で生成する仕組みです。
直近のWeb広告掲載結果レポートを、GensparkのAIレポートで作成しました。
手順は以下の通りです。
①Google広告スクリプトで自動出力した各種掲載結果データを、xlsxファイルでダウンロード
②Gensparkに読み込ませ、以下のプロンプトを入力し、Enter
各種レポート(広告グループ、キーワード、広告、検索クエリー、オークションインサイト)を総合的に分析して、現状のキャンペーンの強みと課題を整理しコメントしてください。
主に 「ADG」(広告グループレポート)を主軸に、キャンペーン単位・広告グループ単位でまとめて、他のシートから関連する情報をピックアップして報告してください
なお、レポートは、数値・コメントをまとめてHTML形式で出力してください。
シートごとのレポート種類は次のとおりです。
「ADG」→広告グループレポート
「KW」→キーワードレポート
「クエリ」→検索クエリレポート
「LP」→ランディングページレポート
「AD」→広告レポート
③以下のように出力され、レポートが作成されました。
HTML形式になっており、URLを別のブラウザタブで開くと、レポートを開いてダウンロードすることができます。

なお、表示させたレポートは、ブラウザの印刷をつかったPDF保存で、PDF化することもできます。
グラフや表が型崩れしないよう、用紙サイズ・縦横を調整して保存してください。

このように、シンプルな指示を与えるだけで、AIがアウトプットを作成してくれます。
広告データは、Google広告スクリプトを活用して毎朝最新の情報を自動で出力しており、そのスプレッドシートをGensparkに読み込ませる流れです。
この仕組みを使って、Google広告に限らず、Yahoo!広告、Meta、Criteoなど、複数の広告媒体のデータも一元管理が可能になります。
さらに、Google Analytics 4やSearch Console、ランディングページ経由での登録ユーザー情報といった周辺データも一括で連携できるため、これまでExcelで手作業していた集計作業を大幅に効率化できます。
特に印象的だったのは、コメント欄の自動生成機能でした。
従来であれば、担当者が毎回内容を考えて記述していた部分を、Gensparkが「たたき台」として自動で用意してくれるため、編集や確認に集中でき、作業負荷の軽減につながります。


もちろん、グラフの種類や数値表記、用語の統一、実際の運用方針に沿っているかどうかといった確認・調整は必要ですが、レポート作成のベースとしては十分に実用的であり、現場の業務に取り入れる価値は高いと感じました。
データ量の多いExcelファイルであっても、Gensparkでは一度の操作で出力が完了する点は、非常に優れた特徴のひとつです。
今回は、5つのタブにまたがる広告データを読み込ませましたが、各シートに自動でコメントが付いた状態で、問題なく処理されました。
なお、今回の操作で消費されたクレジットは100〜300ほどで、月額24.99ドルのPlusプランで付与されるクレジットの1/30以下でした。
ファイルサイズや処理量によってクレジット消費量は変わりますが、一般的には少ないクレジット消費でレポートのたたき台を作ってもらうことができ、とてもありがたいといえるでしょう。
なお、HTMLで出力されたファイルはFigmaなどに取り込むことで、直接編集することができます。
出力したものの細かい部分を修正する場合には、Figmaを使うことをお勧めします。
Figmaはこちらから新規登録・ログインして、使用してください。
AIスライドで報告書をWebデータから自動作成
Gensparkを使用した自動レポート作成の例をもう一つ紹介します。
Web上のデータから自動でレポートを作成する例です。
Gensparkの強力な機能の一つは、Web上に公開されている膨大な情報を自動的に収集し、整理、分析して、報告書を生成する能力です。
この機能は、特に市場調査や競合分析を行う際に大きな力を発揮します。
今回は自動スライド作成機能の、GensparkAIスライドを使って、「Web広告業界の市場規模とシェア」について、スライドのレポートを作成してもらいます。
プロンプトは、ChatGPTに出力してもらった、以下のものを使用しました。
1. 導入:Web広告業界とは何か、近年の成長背景
2. 世界および日本における市場規模の推移(2020年~2025年予測)
3. 主なWeb広告の種類(ディスプレイ広告、検索連動型広告、SNS広告、動画広告など)とシェア割合
4. 主要プレイヤー(Google、Meta、Amazonなど)の市場シェア
5. トレンド:モバイル広告の成長、Cookie廃止による影響、AI活用の動向
6. 今後の展望と課題
希望フォーマット:
– グラフ(市場規模推移、シェア円グラフ)
– アイコン付きのビジュアル説明
– 最後に要点のまとめスライド付き
上のプロンプトを入力して、他の作業をしている間に、そのまま会議資料にも使えそうなクオリティのスライドが出来上がりました。
※出来上がったスライドをエクスポートしたPDFファイルはこちらからダウンロードできます。
これまでは手作業でリサーチしてデータを集め、Excelで集計し、PowerPointに一つ一つ入力してスライドを作成していましたが、GensparkのAIスライドを使うことで、スライドの作成時間を大幅に短縮できるでしょう。
AIスライドの場合はPPTXファイル形式で保存することができるので、出来上がったたたき台をそのままPowerPointで編集し、資料スライドとして使用することができます。このように、Gensparkを活用することで、Web上のデータから迅速かつ効率的に報告書を作成し、ビジネスにおける意思決定をサポートすることができます。
Genspark導入時に気をつけるべきポイント
Gensparkでレポート・資料スライドを作成する際に注意すべきポイントがあります。
それは、AIが生成したアウトプットを鵜呑みにするのではなく、必ず従来のデータと照合し、ダブルチェックを行うことです。AIは強力な支援ツールではありますが、すべてを自動化するものではありません。
あくまで人間の判断を補完するために使用するべきです。
コメントの内容が実際の運用方針に即しているか
など、忘れずに確認しましょう。
いきなり全業務をAIに任せるのではなく、小さなタスクから段階的に導入し、従来手法と比較しながら最適な形に落とし込んでいくことが、現場に定着させる上での現実的かつ効果的なアプローチです。
さらに、最も大切なのは我々の知識インプットです。
たとえ人気のツールであっても、慣れや適性によって使い勝手は大きく異なるため、ツール選び以上に自分自身の経験や理解を深めることが成果につながると考えています。
まとめ:最も「やりやすい」方法を選ぼう
私自身、支援者として多くの業務ツールやAIサービスを試してきました。
その中でも「短時間で成果が出せる」「操作が直感的で取り組みやすい」と感じたものを基準に導入を検討しています。
今回ご紹介したGensparkも、まさにそうした実用性の高いツールのひとつです。
ただし、AIツールによるデータ分析はあくまで概要の把握にとどめ、詳細な部分は自分自身で深掘りしていくことが重要です。
また、従来どおりの方法を必ず併用し、ダブルチェックを欠かさないことで、精度の高い業務運営を心がけています。
GensparkのようなAIツールは、今後もさらに進化を続けるでしょう。
新機能のリリースや、他ツールとの比較検証、より効果的な活用法についても、引き続き当コラム記事で発信してまいります。
現在お使いの有料ツールに疑問をお持ちの方や、データ連携に課題を感じている方はお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
これまでの実践や知見をもとに、最適なソリューションをご提案させていただきます。