こんにちは。SPENDAの伊藤です。
2023年から画像生成AIの進化は目覚ましく、広告バナーを作成してみると画像の品質が徐々に上がってきています。実際にSNSの投稿画像や広告バナーを生成AIで作成してみて、今までの常識を覆して品質も作成時間も変わっているのを体感しました。今回は、最新の画像生成AIツールによる投稿画像や広告画像の効果的な作成方法をご紹介します。ただ「AIツールで画像を生成した」というだけでなく、「最新情報の確認方法から、商品に合わせてどのように考えてツールを選んで作成していくか」という観点でまとめています。
画像生成AIツールの選び方と比較ポイント
「数ある画像生成AIツールの中で、どれを選べば良いか分からない」ということもあるでしょう。
実際に無料だったAIツールが有料に変わったり、常に入れ替わるので最新情報を確認してから選ぶ必要があります。
そのうえで、最適なものを選ぶために目的に沿ったツールの選定が重要です。
ツールごとの特徴や得意分野も異なり、例えば人物写真の鮮明さが優れているもの、背景画像の精度が高いもの、さらにはイラストの生成が得意なツールなど、用途に応じた使い分けがポイントです。
このあたりは、①素材、②背景を最適化、③キャッチコピー に分けて用意して、最適な配置や組み合わせを見つけて作成していく必要があります。
一連の流れをフローにまとめると下記のとおりです。

Perplexityでツール一覧と最新情報を把握
まず最新に近い情報を多角的に収集するために、検索エンジンではなくAIツールを複数使って情報収集をしていきます。
例えばPerplexityで、「画像生成AIツールの一覧と、特徴をまとめた比較表を作ってください」というプロンプトを使用すると比較表が出力されます。
ツール名 | 特徴 |
DALL·E 3 | OpenAI提供、高精度なテキストからの画像生成。複雑なプロンプトにも対応。 |
Midjourney | 高解像度で芸術的な画像生成に特化しており、クリエイターに人気。簡単なテキストプロンプトで印象的なアートを生成。 |
Stable Diffusion | オープンソースで自由度が高く、カスタマイズ可能。ユーザーが自分のデータセットでモデルを再学習。 |
CanvaAI | デザインに特化し、簡単な操作で画像編集が可能。SNS投稿に最適。 |
Adobe Firefly | Adobe製品との統合が強力。商用画像作成に適したツール。 |
例えば画像の品質を優先するか、人物の写真を生成したいかなど、それぞれの特徴で絞り込むことが可能です。「写真が鮮明なツール」と「イラストが鮮明なツール」のように分類された表を作成してくれるので、特徴に沿ったツールを選ぶことができます。
Gensperkで記事形式で集約
GenSparkでも同様に検索すると、目的に合ったツールをマインドマップで表示したり、一つの記事としてまとめたりしてくれます。こちらの方が分かりやすい場合もあります。複数のAIツールを使って調査することで、一つの情報に依存せず自分で調べて目的に沿ったツールを選ぶことができます。Gensparkで出力した一覧表はほとんど同じですが、一部違いもあります。
ツール名 | 得意分野 |
ChatGPT (DALL·E 3) | ・高品質な画像生成 ・細かいディテールの再現 ・チャット形式での画像修正や追加 |
Adobe Firefly | ・優れた生成体験 ・画像合成 ・多様なスタイル選択 ・カメラアングル選択 |
ImageFX | ・多様な候補の提案 ・創造的なアイデアの提供 |
Image Playground | ・ファミリー向けの安全な画像生成 ・直感的な操作性 ・iOSに最適化された使いやすさ |
このように出力されたサイトの中身を見れば、大抵の最新情報をキャッチアップできます。画像生成AIツールの状況は常に変化しており、無料ツールに制限がかかったり完全に有料になったりするため、毎回自分の目でも確認する必要があります。比較記事を見て変わっていないと思っても、実際には違っていることがあるので注意が必要です。
画像生成AIの比較
リサーチして良さそうだと思えたツールが決まったら、実際に試してみます。初めから思いどおりの画像が生成できると思わずに、何度か試しながら複数のツールを使って理想に近づけていくつもりで取り組むのが良いです。
一部にはなりますが、それぞれのツールと使用してみた所感を記載します。
Grok
GROKの画像生成機能で学習塾の広告画像を作ってみました。「先生が生徒に親身に教える様子」というプロンプトを打つと、画質は予想以上に鮮明で、教室の明るい雰囲気や先生と生徒の真剣な表情まで自然に表現されていました。
ただ、「熱心な先生が数学の難問を丁寧に解説し、生徒が理解して喜ぶ瞬間を捉えた教室風景」といった長めのプロンプトにすると、前半は反映されるものの後半の文脈はほぼ無視されてしまいました。

Claude 3.7
Claude3.7の画像生成機能を使って文章の図表を作成してみました。長文のプロンプトでも重要なキーワードだけを抽出して、シンプルな図が生成されます。
文字情報と矢印、色分けされたブロックなどの基本図形を組み合わせた綺麗な色合いのデザインが完成しました。
人物や製品の写真などリアルな画像要素は含められないですが、色合いは中々きれいなので場面によっては資料に盛り込んでも大丈夫そうです。

Napkin
Napkinの画像生成機能でGoogle広告のPMAXの図解を作成してみました。ブログ記事の文章を直接Napkinの入力欄に貼り付けて、ドラッグすればそれに見合った図が生成されます。
長文の説明も忠実に理解し、複雑な概念関係をシンプルな図に落とし込めるようで、文書やプレゼン資料向けのシンプルな図解ならこれでも利用できます。
多様なレイアウトパターンを用意してくれるので、その中から最適なものを選択するだけで記事に挿入できて時間短縮になりそうです。

実際に作成した画像例
いくつか生成AIツールで作成できた画像を共有します。 プロンプト文や細かな希望によって大きく変わるので、あくまで参考画像となります。
特に③キャッチコピーは日本語対応してないツールが多く、いびつになったりニュアンスが異なる場合が多いので、①素材、②背景の利用にとどめておくのが今のところは良いというのが私の見解です。
なお、出来上がったAI画像をバナーに加工する際には、普通の画像をバナーにする場合と同様に注意が必要です。こちらの記事にある内容を意識しながら行いましょう。
まとめ
画像生成AIを活用した広告バナー作成は、今までデザイナーに作成依頼していた全事業者に取って助け舟になってます。今回の記事でお見せしたような「Perplexity」「Genspark」で最新のツールを調べてから組み合わることで、最新のツールを見逃す可能性を減らし、より要望に見合った画像素材を自社内で生成できるようになります。
実際に取り組んでいく際にはツールの使いこなし方やプロンプトの調整が肝となり、ここはプロンプト文の工夫によって個人差が出てきます。
今後もどんどん出てくる新たな画像生成AIツールを積極的に活用しながら、本記事も参考に画像の素材や背景の制作を効率よく作業できるようになることを願っています。