AIで激変!マーケティングリサーチ&資料作成を効率化する最新AI活用術

こんにちは。SPENDAの伊藤です。

今回は、それぞれの事業におけるマーケティングや集客戦略のリサーチ内容を、AIを使って効率的に見やすい10〜20枚程度のスライド資料に集約する具体的な手法についてご紹介します。
Chat GPT, Gemini, ClaudeはもちろんGenspark, Manus, Mapify, Gamma, ・・など10種類以上の有料のAIツールに課金してそれぞれ試した中で選定した内容なので、「結局どのAIツールが良いの?」「どう組み合わせればいいの?」と思われている方の参考になるかと思います。

本記事を読まれている方で、コンサルティング会社や支援会社でクライアントのために資料を作成する場合もあれば、事業会社のマーケティング担当者として自社の戦略を考える場合もあると思います。どちらの立場の方にも役立つ内容ですので、是非最後まで読んでみてください。

リサーチから資料完成までの流れ

どの事業でも、戦略を立てる際にはまず市場のリサーチが重要になります。「3C分析」(顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company))、「4P分析」(Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通・販売チャネル)、Promotion(販促活動))などを通じて現状を把握し、今後どのポジションを狙うべきかを考えていきます。

一昔前は、こうしたリサーチは主に検索エンジンを使ったり、専門のアナリストに調査を依頼したりするのが一般的でした。しかし、今はAIツールを活用することで、この一連の流れを劇的に効率化できるようになります

AIツールを使ったリサーチの進め方

具体的にAIを使ったマーケティングリサーチの進め方についてです。

まず、対象となる事業や製品について、現状どのような情報がWEB上にあるか洗い出します。例えば、Instagramや通販サイト(公式サイト、Amazonなど)、YouTubeなど、様々な場所で情報発信や販売が行われているのが分かります。皆さんも普段から目にすることが多いのではないでしょうか。

Gemini Deep Researchを使ったリサーチ

次に、これらの情報を踏まえつつ、AIツール「Gemini」を使ってリサーチを行います。

まずGeminiの「Deep Research」をオンにして、以下のようなプロンプトを入力しました。

あなたは〇〇製薬の栄養補助食品のマーケティング担当者でWEBマーケティングの施策を考えることになりました。認知施策、獲得施策に分けて、広告、SNS、動画、メディアなどの一通りの施策を考えて、事業主に提案内容を報告できる形式でまとめてください。

このように具体的な役割と目的、含めてほしい要素を指定することで、より的確な回答を引き出しやすくなります。

Chat GPTを使ったリサーチ

次に有名なAIツール「ChatGPT」で試してみます。提案書のスタイルで、事業カテゴリーやSTP分析、3C分析なども含めて内容を出力してくれました。WEBマーケティングの戦略についてもいくつか具体的な施策を考えてくれるので、それを元に自分でブラッシュアップしていけば良いことになります。

その他のAIツールを使ったリサーチ

その他にも、FerroやPerplexityなどのAIツールでも同様にリサーチを行うことができます。複数のツールで調べることで広範囲の情報を得ることができて、より良い書き方も思いつきやすくなるのでお勧めです。
「こういうやり方がある」というアイデアをたくさん得ることができて、その中から最適なものを選んでいくことができるようになります。

AIによる間違いを減らすには?

AIツールで注意しなければならないのは、「ハルシネーション」です。事実と異なる内容を出力してしまう可能性があるので、AIが出した回答を鵜呑みにせずその真偽を自分で確認することが非常に重要です(結局は中身の理解が必要ということにもなります)。

また、GeminiとChatGPTで複数の異なったAIツールを使い、同じ指示を出して得られた出力結果を比較するようにしましょう。

実際に、Geminiで出力された内容と、ChatGPTで出力された内容を比較してみます。その分野の知識に詳しくても一つ一つ細かく見ていくのは時間がかかりますが、これもどちらかのAIツールに事実確認、つまり「ファクトチェック」を依頼すれば良いのです。

Geminiのほうに以下のようなプロンプトを入力し、先程のChatGPT出力内容を貼り付けて比較させました。

「上記は別の方法で同じ資料を同じ指示を出した資料なので、異なる点をまとめてください」
Geminiのほうでは同じスレッド内であれば、前の回答をふまえてくれるので、追加でChat GPTの回答だけ貼り付けるか添付ファイルで読み込ませれば大丈夫です。

これにより、Geminiが2つの出力の主な違いを5つ程度にまとめてくれます。これですぐに違いを把握することができて、「こっちの方が良さそうだな」と当たりをつけることができます。実際には、ChatGPTの出力の方が「なぜその施策が必要なのか緻密な分析によって裏付けている」という点でやや踏み込んでくれている印象を受けました。

Geminiのディープリサーチは幅広く一般的な情報を調べてくれる傾向がありますが、ChatGPTはプロンプトの工夫次第で、より目的に沿った深い分析をしてくれる印象でした(これはプロンプトや状況によって変わる可能性もあります)。

さらに、AI出力の信頼性を確認するために「ファクトチェック」を同じAIツールを使って行います。そのためにファクトチェック用のプロンプトを用意します。

上記の文章を調べてファクトチェックしてください。表形式で出力してください。5段階で表示してください。

このように指示すると、AIが出力内容の各項目について、信頼性を5段階(例:確実に正しい、おそらく正しい、どちらとも言えない、おそらく違う、確実に違う)で評価した表を作成してくれます。

この評価を見ることで、「おそらく違う」と判定された項目は特に注意深く確認するなど、チェックの優先度をつけることができます。「どちらとも言えない」という項目も、必要に応じて深掘りすると良いでしょう。

ちなみに、GenSparkのようなツールには最初からファクトチェック機能が搭載されているものもあります。より詳細なファクトチェックが必要な場合は、そちらを使うのも良いでしょう。

このように、複数のAIツールでリサーチを行い、その出力結果を比較して、さらにファクトチェックを行うことで、ハルシネーションのリスクを最小限に抑え、より信頼性の高い情報を得ることができます

AIツールで資料作成の流れ

信頼性の確認ができたリサーチ結果を元に、いよいよ資料(プレゼンテーションスライド)の作成に移ります。

比較検証とファクトチェックを行ったの出力内容を自分でも確認して、改めて10枚のスライドの骨子をまとめるようにGeminiの同じスレッドの続きに指示しました。

2つ以上のAIツールで見てファクトチェックも行ったのでその結果が4以上の内容で、新資料の方が緻密と言っていたのでそっちを反映して、改めて10枚のスライドのコッシュをまとめ直してください。

このように、これまでのリサーチと検証の結果を踏まえて具体的に指示することで、より目的に合った骨子を作成させることができます

AIが作成した骨子は、もちろん自分の目で確認し、方針に沿わない部分や不足している部分がないかチェックし、必要に応じて修正を加えることが重要です。

YouTubeチャンネルで注目度の高いキャッチコピー抜粋

自社のYouTubeチャンネルがあれば注目されているキャッチコピーの提案もAIに回答させることができます。
方法としては、YouTubeチャンネルで動画を「人気の動画順」に並べ替えると、再生回数の多い動画のキャッチコピーが一覧できます。これをスクリーンショットしてAIに読み込ませ、「この情報は人気順になっているので、ユーザーに訴求されやすいキャッチコピーを参考にしてください」といったプロンプトで分析させれば、反応の良かったキャッチコピーをAIが回答してくれて、より良い表現を見つけるヒントになります。

AIツールでスライド作成

骨子が固まったら、実際にスライドを作成していきます。ここでもAIツールを使って作業を効率化できます。

MappifyとGammaの連携:

Mappifyでリサーチ結果をマインドマップ形式に整理します。マインドマップの方が全体像を把握しやすいという方もいるでしょう。
・Mappifyで作成したマインドマップをマークダウン形式でダウンロードします。
Gammaのような資料作成ツールにマークダウンファイルをインポートすると、スライド別に分かれた形で資料を作成してくれます。

Geminiのキャンバス機能:

・Geminiで作成した骨子をコピーし、キャンバス機能をオンにして貼り付けます。
・「プレゼンテーション資料を作成する」を選択すると、骨子を元に表紙から各スライドを作成してくれます。
・キャンバスモードでは、コードを編集するように各スライドの内容を修正したり、あらかじめ目次や背景、表現方法といった書式を指定して資料を作り直させたりすることも可能です。人間が手作業で修正するのは大変ですが、AIならすぐに反映してくれます

さらに活用!その他のAIツール連携例

NotebookLM:
・リサーチしたテキスト情報をNotebookLMに貼り付けると、その内容を元にマインドマップを作成してくれたり、7分程度の音声解説を生成してくれたりします。
・また、チャット欄で内容について質問すると、根拠となるソース(貼り付けたテキストの該当箇所)を示しながら詳しく答えてくれます

このように、様々なAIツールを組み合わせることで、リサーチから資料作成、さらには内容の整理や理解促進まで、幅広いタスクを効率的に進めることができます

AIを使いこなすための重要な視点

ここまでAIを使ったマーケティングリサーチと資料作成のプロセスを順番に説明してきましたが、AIはあくまでツールです。本当に質の高い成果物を作るためには、人間が適切にAIを使いこなし、最終的な確認と修正を行うことが最重要です

AIを使えば数分で資料を作成することも技術的には可能ですが、それが必ずしもクオリティの高いものになるとは限りません。出力された内容が本当に正しいのか、自分の意図や目的に沿っているのかを必ず自分の目で確かめる必要があります

AIは人間が楽するためにあるものではなく、「使いこなす」ための自分なりのスタイルを感覚的に掴み、それを繰り返し実践することでより良いものを作れるようになるし、その流れを確立していくことが結局は大事なのだと思いました。

これからの時代、AIの種類は増え続け、機能もどんどん進化して便利になっていきます。こうしたツールを使いこなせるかどうかは、ビジネスマンとしての重要なスキルになっていくでしょう

まとめ

AIツールを効果的に活用することで、マーケティングリサーチや資料作成といった業務を大幅に効率化できる一例を紹介してきました。

AIは、単なる作業代行ツールではなく、私たちの創造性や分析力をサポートし、より質の高いアウトプットを生み出すための強力なパートナーとなり得ます

本記事で紹介したやり方を見て、「これなら自分でもできそうだな」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ぜひ実際に手を動かして、AIを使ったマーケティング戦略立案や集客施策の資料作成や実際の作業の実行に移してみましょう。

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