サイト回遊率という指標があります。
これは、訪問者がサイト内でどれだけ多くのページを閲覧したかを示す指標です。
サイト回遊率は、ユーザーがサイト内でどれほど興味を持ち、他のページにも移動したかを測るために重要な指標とされています。
サイト回遊率を上げることでSEO評価に有利に働いたり、ECサイトであれば様々なアイテムをユーザーが閲覧するようにし、CVRを引き上げることもできるのです。
この記事では、サイト回遊率とはなにか、最初に解説しています。
そのうえで、サイト回遊率を上げるための分析手法などを紹介しています。
サイト回遊率を上げることは、様々な意味でサイトにプラスに働きます。
この記事を読んで、ぜひあなたのサイト運営に役立ててください。
サイト回遊率とは?
サイト回遊率とは、「訪問者がサイト内でどれだけ多くのページを閲覧したかを示す指標」です。
サイト回遊率は、ユーザーがサイト内でどれほど興味を持ち、他のページにも移動したかを測るために重要な指標とされています。
なぜなら、サイト回遊率が高くなることでサイトの滞在時間が延び、最終的にはコンバージョン率の向上にもつながる可能性があるからです。
直帰率との違い
直帰率は、回遊率と同様に、ユーザーの行動を測定する指標です。
直帰率と回遊率の違いは、回遊率がユーザーが複数のページを閲覧する割合を示し、直帰率は訪問者が最初のページだけを見て離れる割合を示すということです。
回遊率が高ければ、サイト内でユーザーが多くのページを閲覧しているということになり、ユーザーに役立つ情報が多数掲載されていると言えます。
逆に、直帰率が高ければ、ユーザーがサイトに訪れた後、すぐに離脱している割合が高いということなので、そのサイトにはユーザーに役立つ情報が少ないといえるのです。
例えばECサイトの場合、訪問者が商品ページからレビューや関連商品のページに移動することで回遊率が高くなります。
逆に、訪問者がトップページを見ただけで他のページに移動せずに離脱する場合、直帰率が高くなります。
これにより、コンテンツの魅力やサイトのナビゲーションの有効性が評価できるのです。
なぜ回遊率を向上させる必要があるのか?
回遊率を向上させる必要があるのは、以下のメリットがあるからです。
- ECサイトであればCVRが高くなる可能性がある
- SEOによる評価が高まり上位表示されやすくなる
例えば、ECサイトであれば、サイト回遊率の上昇は、訪問者が商品の説明ページからレビューや関連商品、ブログ記事などに遷移して閲覧する場合があるからです。
訪問者が、商品紹介だけでなくレビューやブログ記事などを読むことで、購買意欲が高くなって購入意欲が高まる可能性があるのです。
また、回遊率はSEOにとっても重要な指標です。
なぜなら、回遊率が高いサイトはユーザーが多くのページを閲覧し、サイト内を移動する時間が長いことを意味します。これにより、検索エンジンはそのサイトがユーザーにとって価値があると判断し、検索結果でのランキングが向上する可能性があります。
たとえば情報提供サイトで回遊率が上がるということは、訪問者が一つの記事を読んだ後に関連する他の記事やカテゴリーを閲覧しているということです。
ユーザーが回遊することで複数の記事を読んでいる場合、そのサイトはユーザーにとって有益な情報を多く掲載しているとGoogleに判断されるため、SEOにプラスに働くのです。
結果的に、このサイトは検索エンジンにより信頼され、上位表示される可能性が高くなるといえます。
このように、回遊率の向上はサイトのSEOパフォーマンスを高めるために不可欠です。訪問者にとって有益で魅力的なコンテンツを提供し、複数のページを閲覧する動機を作ることが重要です。
しかし実際には、様々な理由で回遊率が低下し、CVRやSEO評価が下がることがあります。
こういった問題を特定し、改善していくことが、サイト運営者にとって重要といえるでしょう。
実際にどのような要因がサイト回遊率を下げる恐れがあるのか、そしてそれを見つけ出すための分析手法と改善方法について、見ていきましょう。
サイト回遊率が下がる要因とは
サイト回遊率が下がる要因は、ひとことでいうとユーザー体験の質が低下していることにあります。
ユーザーは自分が必要な情報を素早く見つけたいと考えています。
- 操作がややこしかったり、リンク切れが多く、どこに何があるかわからない
- コンテンツの質が低く内容が理解しにくかったり、自分に必要な情報がない
- ページの読み込み速度が遅く、イライラする
こういったことはユーザーのサイト滞在時間を短くし、直帰率を上げるのです。
サイト回遊率を上げるには、ユーザーが求める情報へすぐに到達できるよう、様々な手法を用いて最適化していくことが大切といえるでしょう。
サイト回遊率の向上に向けた分析手法
これまで、回遊率を上げることによって得られるメリットを紹介してきました。
ECサイトではユーザーの商品への理解が深まり、CVRが高くなる可能性があること、それ以外のサイトでも、SEOでプラスの効果があって上位表示される可能性が上がることです。
ここでは、こういった回遊率を上げる施策を行うために、どのような分析を行えばよいか、その手法について紹介します。
回遊率の計算方法
回遊率の向上に向けた分析手法を説明する前に、まずは回遊率の計算式を紹介します。
回遊率は、以下の方法で計算します。
例えば、
訪問ページ数(PV数)が10,000PV
直帰数が3,000ユーザー
とすると、
((10,000-3,000)/ 10,000)x100 = 70%となります
Google Analyticsの活用方法
GoogleAnalyticsを活用して、ユーザーの回遊を分析することができます。
まず、GoogleAnalyticsの計測数値をもとに、回遊率を計算しましょう。
手順は以下の通りです。
表示回数とユーザー数を確認し、これを基に回遊率を計算
(計算式は上にあげたものを使用)

また、探索レポートを活用することで、ユーザーがどのようにサイト内を移動しているか視覚的に把握することもできますし、特定リンクのクリック数などをイベント計測することで、ユーザーの回遊状況をより詳しく把握することができます。
これらのポイントを把握することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、回遊率を上げるための具体的な施策を講じることができます。
ヒートマップの活用
GoogleAnalyticsだけでなく、MicrosoftClarityなどのヒートマップを活用することで、ユーザーの行動を視覚的に把握し、サイト回遊率の向上に効果的な改善策を見つけることができます。
ヒートマップは、ユーザーのクリックやスクロールのデータを色で示すことで、どの部分が注目されているかを一目で理解することができます。
例えば、クリックマップを確認すると、ユーザーがよくクリックする箇所と全くクリックしない箇所が分かり、重要な情報やリンクが適切に配置されているかを判断できます。
また、スクロールマップを分析することで、ユーザーがどこまでページをスクロールしているかを把握し、コンテンツの配置や長さを調整する際の参考になります。
これらのデータを基に、ユーザー行動を深く理解し、サイト回遊率の向上に繋げることができるのです。

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サイト回遊率を上げるには
回遊率の分析に使う手法として、GoogleAnalyticsを使用した手法と、ヒートマップを使用した手法を紹介しました。
こういった手法を用いて離脱が多い個所やページなどが見つかった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
こういった分析をした結果を活かして、実際にサイト回遊率を上げていくにはどうするかを紹介します。
読みやすいコンテンツの作成
読みやすいコンテンツを作成することで、ユーザーの滞在時間が延び、サイト全体のエンゲージメントが向上します。
コンテンツを読みやすくする手法は主に以下の通りです。
- 見出しと段落は短く、簡潔にまとめる
- リスト化(箇条書き)
- フォントサイズの調整
- 行間を適切に設定し、読みやすさを向上させる
こういったユーザビリティの改善により、「読みづらい」「わかりづらい」といった理由によるユーザーの離脱を防ぎ、回遊率の向上につながります。
モバイルフレンドリーなデザインの採用
モバイルフレンドリーなデザインは、サイトのユーザビリティを大幅に向上させます。
近年のインターネット利用の大部分はモバイルデバイスからであり、PCにのみ対応したコンテンツはスマホユーザーが離脱する大きな要因となります。
スマホが普及し始めてから作成されたサイトはそのほとんどがレスポンシブデザインになっていてスマホに対応していますが、それより前に作られたサイトではPC向けデザインのみのままになっているところも多いでしょう。
モバイルフレンドリーでないサイトはモバイルユーザーの離脱を引き起こし、回遊率を引き下げるでしょう。
このようなモバイルフレンドリーなサイトの基本は、レスポンシブデザインです。
レスポンシブデザインを適切に実装すれば、画像やテキストがデバイスの画面サイズに合わせて自動的に調整されるため、ユーザーがスクロールやズームを頻繁に行う必要がなくなります。さらに、タッチ操作に最適化されたボタン配置やナビゲーションメニューの導入により、ユーザビリティが向上します。
現在はGoogleもモバイルフレンドリーとなっており、モバイル非対応のサイトはSEO上でも不利になっています。
まだモバイルフレンドリーになっていないサイトをおもちでしたら、すぐにでもレスポンシブデザインなどモバイルフレンドリーのサイトに作り変えることをお勧めします。
ページ読み込み速度の最適化
ページ読込速度の最適化は、ユーザーの回遊率を上げる重要なカギです。
なぜなら、読み込み速度が遅いとユーザーがサイトから離脱しやすくなるからです。Googleの調査によれば、読み込み時間が3秒を超えると、53%のユーザーがサイトを離れてしまいます。
あなたがサイトを訪問したときをイメージしてください。
Googleで検索結果を表示させ、サイトへのリンクをクリックしてから開くのに何秒もかかる、ようやっと開いたかと思って読み進めて、興味ある関連記事をタップしたらまた何秒もかかる・・・イライラしませんか?
リンクをタップしてから開くまでの数秒は、数秒であってもユーザーには大きなストレスになります。
速やかな表示は非常に重要といえるでしょう。
対策としてできることは以下の通りです。
- 画像の圧縮やキャッシュの利用
- 不要なスクリプトの削除
- より高速なサーバへのサーバー移転
ページ読込速度の改善は、ユーザーの回遊率を上げるのにとても重要です。
サイトのデータはできるだけ無駄をそぎ落とし、より速度が早いサーバーの利用をお勧めします。
なお、Googleが紹介しているサイトの読み込み速度確認ツールとしてPagespeed Insightsと呼ばれるものがあります。
サイトのドメインを入力するだけで、サイトのスピードについての評価や、どのコンテンツに問題があるかを指摘してくれるので、お勧めです。

検索意図に応じたコンテンツ作成
検索意図に応じたコンテンツ作成は、効果的なSEO戦略の要ですが、回遊率向上にも影響します。
キーワードで検索して訪問してきたユーザーが求めている情報がそのコンテンツに含まれていることが、SEO評価を上げるためには必要です。
SEO評価が上がることで訪問ユーザー数が増え、PV数も伸びます。
しかし同時に、コンテンツを読み、自分の知りたい情報を得たユーザーは、興味を持った関連ページに回遊する率も上がります。
そのサイトのコンテンツに満足した後に気になる関連記事へのリンクがあれば、多くのユーザーはそのリンクをクリックして回遊することでしょう。
逆に検索意図を満たしていなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
当然、回遊もしてくれません。
検索意図に応じたコンテンツ作成は、ユーザー満足度を高め、検索エンジンからの評価を向上させつつ、関連記事への回遊を促すことになるのです。
関連ページへのナビゲーション改善
関連ページへのナビゲーションを改善することは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、サイトの回遊を促すために重要です。
ユーザーが求める情報をスムーズに提供することで、離脱率を減少させ、検索エンジンからの評価も向上します。
ユーザーが必要な情報にすぐにアクセスできないと、必要な情報がどこにあるのかわからずにサイトを離れてしまう可能性が高くなります。
適切なナビゲーションは、ユーザーの興味を引き続ける鍵となります。
例えば、ブログ記事の末尾に「関連記事」セクションを設けることで、読者が自然に次の記事へと進む流れを作ることが推奨されます。
その記事を読んで知りたい情報を得たユーザーの目の前に、そのユーザーが興味を持ちそうな関連記事へのリンクがあれば、多くのユーザーはそのリンクをクリックして回遊するのではないでしょうか。
カテゴリーページやタグを利用して、関連するコンテンツをグループ化し、簡単にアクセスできるようにすることも有効です。
まとめ
サイト回遊率は、訪問者がサイト内でどれだけ多くのページを閲覧したかを示す重要な指標です。
高い回遊率は、ユーザーがサイトに興味を持ち、他のページにも移動していることを意味し、SEO評価の向上やECサイトでのコンバージョン率(CVR)の向上につながります。
回遊率を向上させるためには、Google Analyticsを活用したアクセス解析やヒートマップを利用したユーザー行動の可視化が有効です。
具体的な施策としては、読みやすいコンテンツの作成、モバイルフレンドリーなデザインの採用、ページ読み込み速度の最適化、検索意図に応じたコンテンツ作成、関連ページへのナビゲーション改善などがあります。
これらの施策を実行することで、ユーザーのエンゲージメントが向上し、サイト回遊率の向上が期待できます。
サイト回遊率の改善は、サイトのパフォーマンスを全体的に向上させるために不可欠です。訪問者にとって有益で魅力的なコンテンツを提供し、複数のページを閲覧する動機を作ることで、SEO評価の向上やコンバージョン率の向上が実現できるでしょう。この記事の内容を参考にして、ぜひあなたのサイト運営に役立ててください。