はじめに
WEBサイトへの集客を手早く増やす為の手段の一つとして、リスティング広告とディスプレイ広告は有効な手段であり、国内出稿額は年々増加の一途をたどっています。
広告の運用者の立場から見ると、広告主の数が増えて競争が激しくなったこと、テクノロジーが進化したことにより、出稿媒体の管理画面内だけでなくGoogleアナリティクス内でWEBサイト内の状況を細かく分析する必要性が益々高まってきています。
弊社でも、Googleアドワーズ、Yahoo!プロモーションなど、数多くの広告出稿媒体を運用管理したりサポートしたりする中でその流れを実感しています。最近は、Googleアナリティクスの解析に関連して顧客の運用担当者からこんな声を良く聞きます。
「Yahooプロモーションの各項目をGoogleアナリティクスのどこで見れるのか詳しく知らない」
「特別キャンペーンの流入結果をGoogleアナリティクスで見たいけど、URLの後ろにどんなトラッキングパラメーターを付与すれば良いのかわからない」
本記事ではこのような疑問に対する解決への手助けになればと思い、広告出稿媒体でのトラッキングパラメーターの実装方法と、Googleアナリティクスでの表示文字列についてまとめました。想定事例を交えながら実装前と実装後の表示一覧をまとめて、次に下記①~③の順番で記載していきます。
① Googleアドワーズ、Yahooプロモーションのトラッキングパラメーター実装例(source、media、campaign、content)
② Googleアナリティクスの設定
③ Googleアナリティクスの画面表示(チャネル、参照元、キャンペーン、広告のコンテンツ)
※広告媒体側のトラッキングパラメーター、Googleアナリティクスのデフォルトチャネル等の基本的な内容は、最下部に参照URLを記載しましたので、そちらで確認をお願いします。
Googleアナリティクスの表示文字列(設定前後の比較)
Googleアナリティクスではトラッキングパラメーターのデフォルト設定があり、何も設定を行わないとデフォルト表記がそのまま反映されます(該当するものがない場合は非表示)。Googleアドワーズ、Yahooプロモーションの各キャンペーンとGoogleアナリティクスのデフォルト表記は下記の表のとおりです。
設定前(デフォルト状態)のキャンペーン別の表示文字列
そして、今回の想定事例の実装を行った場合のGoogleアナリティクスの表示文字列は、下記のとおりです。
(弊社のクライアントで最も細かく設定を行った実例を少しカスタマイズしました)
想定事例の実装を行った後のキャンペーン別の表示文字列
Googleアドワーズ、Yahoo!プロモーションのトラッキングパラメーター実装例
上記の文字列どおりにGoogleアナリティクスで表示するには、トラッキングパラメーターを下記のとおり付与すればできます(いくつかある方法の中の一例です)。
Googleアナリティクスのキャンペーン表記(「utm_campaign=」の後の文字列)はカスタムパラメーターの設定で自在に変更できます。もし、GoogleアドワーズとYahooプロモーションの同一内容のキャンペーンの合算値を見たい場合は、同じ文字列で統一しましょう。
広告のコンテンツを用いた広告グループ単位の設定
ここまではキャンペーン単位の内容でしたが、次は広告グループ単位でグループ化する想定事例についてです。
キャンペーンを地域別に分けていて、同じKW群の広告グループが別々だけど、Googleアナリティクスでは合算して見たい
Google広告の検索広告、レスポンシブ広告などをグループ化して、種類ごとに結果を見たい
ここでは、Googleアナリティクスのもう一つのデフォルト登録のパラメーターである「広告のコンテンツ」を使って、広告グループ名とは別の文字列を表示させます(下表)。デフォルト表記はGoogleアドワーズの広告の「見出し1」になっているので注意が必要です。
設定前(デフォルト状態)の広告グループ別表記一覧
設定後(実装後)の広告グループ別表記一覧
・Googleアドワーズ、Yahoo!プロモーションのトラッキングパラメーター実装例
Googleアナリティクスで変更が必要な設定
次にGoogleアナリティクス側で必要な設定を行います。
オーバーライドの許可(自動タグ設定を上書きする場合に必要)
基本的にGoogleでは自動タグ設定によるトラッキングを推奨しています。しかし、Googleアドワーズの一部のキャンペーン、広告グループではデフォルト表記を上書きする必要がある為、下図の設定変更を施します。
チャネルグループ(アカウントによって任意)
各チャネルの設定は「管理画面>ビュー>チャネル設定>チャネル」で行い、その運用結果が反映される場所は「>集客>すべてのトラフィック>チャネル」です。例えば、Googleアドワーズのディスプレイネットワークへの配信はデフォルト設定で「Paid Search」に分類されているので、「Display」として集計したい場合はここでチャネルの優先順位を変える必要があります。
Googleアナリティクスの画面表示
最後に、Googleアナリティクスの画面のどこで閲覧できるかキャプチャとともに記載します(ここでは実際の事例を載せている為、想定事例と異なる箇所があります)。
Default Channel Grouping(>集客>チャネル)
参照元/メディア(>集客>参照元/メディア)
参照元/メディア(プライマリディメンション)×キャンペーン(セカンダリディメンション)
広告のコンテンツ(プライマリディメンション)×参照元/メディア(セカンダリディメンション)
繰り返しになりますが、Googleアドワーズはデフォルトで広告の「見出し1」が表示されるようになっているので、別の項目だけ表示したい場合は注意が必要です。
おわりに
今回お伝えしてきた方法で、Googleアドワーズ、Yahoo!プロモーションからの流入結果をGoogleアナリティクスで詳細表示することができます。
注意すべきこととしては、実際に実装を行う場合は最終的にどのように見たいか(もしくは分析したいか)を入念に考えてから実行に移す必要があるということです。
もし、時間をかけて実装した後で「見る必要のない項目だった」となると、頭を悩ませた分だけ時間が無駄になりますし、「後から別の命名法のほうが良いことに気づいて変更した」となると、それまでのデータが分断されて閲覧しづらくなります。
このようなことがないように、最初にしっかりと計画して有益な分析に繋げていきましょう。