【完全ガイド】初心者でもできるYouTube動画広告の始め方とGoogle広告設定手順

「YouTube広告の出稿を検討しているが、具体的な方法やポイントがわからない」という方に向けて、今回はYouTube広告の特徴と始め方の手順をお伝えします。

YouTubeはご存じのとおり、日本をはじめ世界中で利用者No.1の動画プラットフォームです。
そのYouTube上で動画が再生される前後に、広告を表示させることができます。
広告を出稿する設定はGoogle広告上で行うので、検索キャンペーン、ディスプレイキャンペーンなどを既にGoogle広告で配信されて広告アカウントを持っている方にとっては難しくないでしょう。

動画広告はテキスト広告や静止画広告と比べて視覚、聴覚の両方の情報を伝えることができる点で、ブランドの認知向上、特定のメッセージやコンテンツを多くの人々に届ける手段としてピッタリです。

今回はYouTube広告の基本的な概要から、配信フォーマットの選び方、課金方式、そして具体的な出稿方法に至るまでのステップを詳しく解説します。

YouTube動画広告の特徴

YouTube上の動画広告の主な特徴を改めてまとめると、下記のとおりです。 
  • 動画媒体の中で視聴者が一番多いプラットフォーム
  • Google広告の運用画面から最低数百円から出稿可能
  • 視聴単価は1回あたりの視聴に対して課金されるが、動画媒体の中でも安価
動画広告を考える際に、YouTube以外にTikTok、Facebook、Instagram、Tverなどもありますが、同じ商材で出稿したとしたら視聴単価では大抵の場合において1番安いという結果になります。
またYouTube広告はメニューも非常に多様で設定も柔軟性に優れ、配信形態も年々進化しています。

このような傾向を考えても、動画広告を考える際にYouTube広告で配信しないことはあまり考えられないでしょう。

YouTube広告メニューの分類

マーケティングファネルについて

下記はマーケティングで頻繁に話に出てくるマーケティングファネルで、顧客の購入プロセスを段階的に示したモデルです。
企業が顧客との関係を深化させるための戦略的アプローチを理解するのに役立ちます。
このファネルの中で「認知」「理解」「獲得」は、特に重要な3つの段階として位置づけられています。
パーチェスファネル(purchase funnel)
①認知:消費者がブランドや製品を初めて知る段階です。広告、SNS、オフラインのイベントなどを通じて、ブランドや商品の存在を消費者に知ってもらうことが目的です。

②理解:認知の次は消費者がブランドや製品についての詳しい情報を求め、その特徴や価値を理解する段階です。WEBサイトのコンテンツやレビュー、紹介記事などを通じて、消費者に製品の詳細やメリットを伝えることが重要です。

③獲得:ここまで来ると、消費者がブランドや製品に対する興味や信頼を持ち、実際に購入やサインアップなどのアクションを起こす段階です。プロモーションや割引、特典などを提供して、消費者の購入意欲を引き立てて決断させてための戦略が求められます。

これらの段階に分けて考えて、マーケティング戦略や広告配信の区分けを考えていきます。

YouTube広告メニューの分類と詳細

マーケティングファネルの①認知、②理解、③獲得別に広告メニューと入札方式、注目すべき指標をまとめると、下記のとおりです。
目的YouTube広告メニュー課金形態 / 主な入札戦略注目すべき指標
①認知バンパー広告、Trueviewリーチ、予約型広告枠インプレッション単価(CPM) / 目標インプレッション単価視聴回数、表示回数、頻度、リーチ
②比較検討、理解Trueviewディスカバリー、インストリーム視聴単価(CPV) / 上限広告視聴単価視聴時間、視聴完了率、KW検索上昇率、サイト訪問数
③獲得、購入促進Trueviewアクション、Video Action Campaign視聴単価(CPV) / コンバージョンの最大化、目標コンバージョン単価CV、売上、来店者数
※入札戦略:機械学習によってオークション形式によって決まる単価(クリック単価など)がなるべく安価な条件になるよう最適化され、より良い掲載面に動画が現れるように調整されるシステムです。
※インプレッション単価:1000回のインプレッションに対しての配信金額

YouTube広告のキャンペーン作成

広告キャンペーン作成の大まかな流れは下記のとおりです。

キャンペーン、広告グループ設定(必須部分のみ)して「配信オフ」で公開

残りの詳細部分を設定(ターゲティング、フリークエンシーなど)

広告審査

配信開始
キャンペーン作成する際に、マーケティングファネルの①「認知」②「比較検討」③「購入・問い合わせ」によって「キャンペーンのサブタイプ」を選ぶ項目が変わります。
各サブタイプの特徴と入札戦略を下記の表を参考にまとめています。
キャンペーンサブタイプ特徴入札戦略
カスタム動画初心者向け。視聴重視であらゆる動画をバランス良くカスタマイズ。「上限視聴単価」「目標インプレッション単価」
フリークエンシー目標設定ユーザーごとに上限表示回数を設定。薄く広く配信したい場合に使用。7 日間の平均表示回数:「2」「3」「4」(1ユーザーあたり)から選択
スキップ不可のインストリーム15秒以内の強制視聴で視聴率を上げる。多すぎると不快感を与える懸念あり。「目標インプレッション単価」
コンバージョンの促進購入/問い合わせを増やす。自動入札なので、コンバージョン実績が不明瞭ならお勧めしない。「コンバージョン数の最大化」「目標コンバージョン単価」「目標費用対効果」
広告シーケンスユーザーごとに特定の順序で配信
1回目:注目させるバンパー広告
2回目:アクション促すインストリーム広告
「上限視聴単価」「目標インプレッション単価」
オーディオオーディオベースの広告、YouTube を聞くユーザー向け「目標インプレッション単価」
一番良く使うのは、黄色で塗った「カスタム動画キャンペーン(視聴回数を増やす、効率的なリーチ)」→①認知向き、「コンバージョンの促進」→②獲得向きです。
サブタイプは一度選択すると後から変更ができないので(キャンペーンを作り直さない限り)、作成前に決めておきましょう。
ちなみにこれ以外の項目は後から変更が可能です。

Google広告画面の設定手順

そして広告画面を開いて、キャンペーンを作成していきます。 「+」にカーソルを合わせて「キャンペーンを作成」を選択します。

キャンペーン作成画面

「サブタイプ」の目標選択画面が表示されます。
予め決まっていればそれを選択して、決まっていなければ右下の「目標指定せずにキャンペーンを作成する」を選択して、後から設定していくので、違いはありません。

目標選択画面

次に、キャンペーンタイプを選択する画面が表示されるので、「動画」を選択します。

キャンペーンタイプ選択画面

目的に合わせて、キャンペーンのサブタイプを選択します。
・【①認知】動画再生回数を重視→「視聴回数を増やす」
・【①認知】インプレッションを重視→「効率的なリーチ」
・【③獲得】コンバージョン重視→「コンバージョンの促進」

①認知向き「視聴回数を増やす」「効率的なリーチ」の作成

下記のように項目とその説明が出てくるので、まず①認知向きのキャンペーン「視聴回数を増やす」「効率的なリーチ」のどちらかを選択します。
「必須項目」は下記で、それ以外は任意で後から変更しても良い項目です。
  • 1.予算タイプと金額
  • 2.広告動画掲載の期間
  • 3.YouTube動画のURL
  • 4.視聴単価上限/目標インプレッション単価

①~②理解・比較検討のキャンペーン

キャンペーンサブタイプで、「フリークエンシー目標設定」「スキップ不可のインストリーム」を選ぶケースは少ないですが、特定のターゲットに強く印象を残したり、1人あたりの表示回数を厳密に制御したい時に使います。

③獲得向き「コンバージョンの促進」キャンペーンの作成

「動画キャンペーンでもCVを獲得したい」という場合に、サブタイプで「コンバージョンの促進」を選択します。
無料サンプルや会員登録、単価が低い商品の販売などCVのハードルがユーザーに取って低い場合は、多くのCVが発生して最適化もされやすく配信してみるのが良いでしょう。
ただし、逆にCVが獲得されづらい商品やお申込みなどでは、あまりにCV数が少ない場合に視聴単価だけが高くなって機械学習も働かないので、類似事例や他媒体での結果でCVが獲得されやすいなどの情報がない場合は、①認知向きのキャンペーンで始めてCVが一定量獲得されるのを確認してから「コンバージョンの促進」へ移行することをお勧めします。

キャンペーン作成時のお勧めの手順

キャンペーンを作成したあと、配信がオフになっていることを確認し、そのあとで残りの設定を進めることをおすすめします。

その下へ進むとコンバージョンの内容が表示されるので、CVタグの設定どおりの内容が反映されているか確認しましょう。
その次へ進んで、キャンペーン名、地域、言語を設定します。
「地域」はデフォルトが「日本」で全都道府県になっているので、「東京」など限定したい場合は設定が必要なので広告費が無駄にならないように必ず行うようにしましょう。
そして入札戦略で「目標コンバージョン単価」で目標値(例:CPA¥5,000)か「コンバージョン数の最大化」(設定値なしでできるだけ多くのCV獲得を目指す)を選択します。検索広告、ディスプレイ広告と違って手動入札で上限入札単価を選ぶことができないので注意が必要です。
そして予算を入力する際に、「目標コンバージョン単価」との兼ね合いが出てきます。
例えば、目標コンバージョン単価が「¥4,473」(Googleが提案した数値をそのまま入力)であった場合に、1日の予算額はそれ以上の金額でなければいけません。

これは、機械学習が十分に機能するためでもあり、Google広告の設定画面の都合でもあります。
このようにして下まで進むと「キャンペーンの作成」を押すボタンが見えてきて、これを押すことで一旦作成が完了します。
この状態では、広告審査が完了するとすぐに配信が開始されてしまうので、細かい設定を見直してから開始したい場合は「配信オフ」を選択しておきましょう。

また、途中まで設定して「ここはどうするんだっけ?」と思って調べるためにPCを離れる場合も、配信オフで一旦作成したキャンペーンを保存しておきましょう。

なぜこのするのかというと、細かい設定で迷ってあとから設定しようとキャンペーン作成画面から離れてしまうと、全ての設定を最初からやり直さなければならなくなるためです。
そうならないためにも一旦キャンペーンを作成して、次の日などあとで詳細部分を変更するようにすればストレスも少なく準備が完了します。

まとめ

2010年代の後半からYouTubeや動画プラットフォームの視聴者が急激に伸びて、広告の出稿もマーケティング戦略を考える全事業者にとって以前よりかなり重要になってきました。
本記事の配信手順を参考に、Google広告でYouTube広告を出稿する参考にしていただければ幸いです。

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