Googleショッピング広告のデータ出力とMerchant Centerのチェックポイント

ECサイトの広告出稿において、Google広告のショッピング広告は良く使われます。

2021年後半より出てきたPMAXキャンペーンによって、ショッピング広告と検索広告、ディスプレイ広告などが一体となった出稿方法に代わり、CPAやROASなど成果と収益UPを両立できた広告アカウントも多く存在します。

しかし、運用する中で分からないことや苦労することも多く、悩ましい声を聞くこともあります。
「検索と違ってPMAXの運用画面は分かりづらく、どこが良くてどこが改善ポイントなのか分かりづらい」
「たくさん商品があるとどれが良くて、どのように調整したら良いのか分からない」
そこで今回は、PMAXのフィードデータのチェックポイントと、データの集計について分かったことをご紹介します。

Google広告の確認箇所

まずGoogle広告側の確認箇所についてです。PMAXキャンペーンを選択した状態でサイドバーの「アセット>商品」から商品別の結果が見れます。

商品

ショッピングキャンペーン内の「商品」では、アイテムIDと商品画像、タイトル、結果が同時に見れて把握しやすいです。 しかし、ここからデータをダウンロードすることができず、例えば月別の結果を比較したりグループ化された結果を見ることはできません。

商品グループ

「商品グループ」では「すべての商品」を分割して(「+」の部分をクリックする)、アイテム ID別や商品グループ別、カスタムグループ別に見ることができます。 フィードデータに記載のある項目に準じた分類が可能です。 このデータはダウンロードできますが、逆にこのままでは商品名が分からない状態です。 自社商品のIDと名前をすべて覚えている方もあまりいないと思うので、CVの多いIDを把握するにIDー商品リストと照らし合わせる等の手間がかかります。

Google Merchant Centerの確認箇所

一方で、Merchant Centerでも在庫別の一部のデータが見れます。
Google広告とは内容が異なっています。

Products > All Products

「All Products(商品)」では画像と商品タイトルなどが見れます。
運用画面ではないので、掲載結果はクリックしか見れません。

Products > Feeds

「Feeds(フィードリスト)」では用意したフィードデータが見れて、商品ID,商品名も見れます。
Google広告の「商品」でデータを自在にダウンロードできれば、ここでフィードデータをダウンロードする必要はないのですが、今回はダウンロード作業を行ってスプレッドシートで合体することを試みます。

Google Product Category

Google Product Categoryは、Googleが商品を分類するために設けた標準化されたカテゴリリストで、Merchant Centerで設定できます。

広告に表示する商品の分類を明確にし、検索結果の精度を高める役割を持ち、商品ごとに適切なカテゴリを指定することで、関連する検索クエリに対して広告が表示されやすくなります。
特定の商品がどのカテゴリに属するかでターゲティングや入札最適化にも影響を与えるので、これはできる限り設定しておくのが望ましいです。
Merchant Centerの「送料」設定は、Googleショッピング広告で表示する商品の配送コストを明示するための機能です。

事業者は地域や配送日数に応じた料金を指定して、購入前に送料を把握できるようになります。
送料は、場所や注文額によって柔軟に設定可能で、無料配送や割引率も設定できます。
正確に送料情報を設定して表示することで、広告の承認やクリック率やコンバージョン向上にもつながります。

ショッピング広告結果のデータ集計

ショッピング広告のデータ集計は、広告のパフォーマンスを測定し、効果的な改善策を見つけるための重要なプロセスです。

Merchant CenterやGoogle Adsで、クリック数、インプレッション、コンバージョン率、費用対効果(ROAS)などの指標が収集され、分析できます。
これにより、どの商品が最も反応を得ているか、どのデバイスや地域で効果が高いかを把握し、入札やターゲティングを最適化できます。
ただ、複数のツールを介するためデータ集計も少し複雑になってきます。そこで一例を紹介します。
Google広告、Merchant Centerのデータを出力したスプレッドシートツール間のフロー図は下記のとおりです。

スプレッドシートでの集計作業

次にデータベース用のスプレッドシートに集約して、IDと商品名と結果のデータを紐付けます。

Merchant CenterのID、商品名別データの貼付け

先ほどのMerchant CenterのProducts > Feedsよりダウンロードしたデータをここに貼り付けます。
個別商品の詳細データがここにまとめられました。

Google広告データの貼付け

先ほどのショッピングキャンペーン > 商品グループよりダウンロードしたデータをここに貼り付けます。
※運用画面側でアイテムID別に分割していないと、ここでMerchant Centerのデータと紐付けができません

ここで後から一列(下図のB列)を追加して、そこに関数「INDEX MATCH」(「VLOOKUP」でも可)を入力しました。
(例)=INDEX(‘GMCデータ’!$A2:$B,MATCH($B2,’GMCデータ’!$B2:$B,0),1)

ここまでの作業により、Merchant Centerの商品IDー商品名ー結果を1つのシートで同時に表示させることができました。

Tableauへのデータソース接続、可視化

Tableauでのデータソース接続、可視化について

上記で用意したデータベース用のスプレッドシートを、Looker StudioやTableauに接続すればより詳細な分析が可能です。
今回はTableauに接続して、表とグラフで可視化してみました。

下記に記載のとおり、運用画面だけでは気づけない傾向や改善点も見えてきます。
また、定期的に分析が必要な場合はデータベースも同じ作業でルール化することで整理して、すぐにTableauで最新結果の傾向が把握できるようにできればより良いですね。

まとめ:継続的な分析実行に向けて

PMAXは検索広告に比べて制御できる部分が少なく、成果改善に悩まれた運用担当者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、今回ご紹介した方法では、データを整理して、月別やCV順など整理した形で商品別の結果を見ることができるので、効率よく分析や改善点考案ができるようになります。
ほんの一例にすぎないですが、Google広告のショッピングキャンペーンは徐々に機能も増えて見やすくなっていますので、この方法を参考にしながらうまくスプレッドシートや分析ツールを使いこなしてより精度の高い分析に繋げられたら良いですね。

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