「Google広告の自動入札ってどうなの?」
という声もチラホラ聞こえてくるようになりました。
そこで、今回はあるキャンペーンに自動入札の設定の1つである「目標コンバージョン単価」を設定した前後で、CPC,CPAがどう変化したかを考察してみることにしました。
「目標コンバージョン単価」の基本的な内容については、下記サイトをご参考にして頂ければと思います。
【Google広告】目標コンバージョン単価(入札戦略)設定後の成功事例と考察https://quartet-communications.com/info/listing/technique/59476 https://support.google.com/google-ads/answer/6268632?hl=ja
目標コンバージョン単価を設定したキャンペーン内容と期間
今回対象としたアカウントはコンバージョンが毎月50件以上獲得されており、その中でブランド名を含んで一番成果が良いキャンペーンを選びました。こちらは、各月のCV獲得数に大きな差がなく、自動入札「目標コンバージョン単価」の設定を行うのにふさわしいキャンペーンでした。
対象期間は下記のとおりで、前後の期間と結果を比較することにします。
目標コンバージョン単価を設定すると本当に成果は上がるのか
目標コンバージョン値を設定して、その前後でCV,CPAを週別にグラフで表してみました。
2019年の11月は「5000円」で設定していたもののもっと低くできそうだった為、2010年1月は「2500円」まで下げてそれに近いCPAで推移しています。
そして、2月以降はコロナウイルスの騒動で世の中が慌ただしくなり、CPAも上昇した為、目標コンバージョン値を大きく引き上げました。
しかし、それでもCPAはそれをさらに上だったので、3月からは手動入札に切換えました。
これらの結果からユーザーの挙動によって自動入札も設定変更が必要であり、「自動入札は目標値に沿って合理的に働くが、直近の結果を見ながら目標値を上手に調整する運用スキルが必要」ことが言えるかもしれません。
自動入札は設定直後に結果が不安定になるのか
次に「設定した直後は設定が不安定になる」と言われていますが、本当なのか分析してみました。設定前後で各指標を比べてみました。

期間1→費用、CPCが上昇してCVが減少している
期間2→費用、CPCが上昇しているが、CVも増加している
という傾向が見てとれます。
期間2は年末を挟んでいる為、52週と53週のCVが少ないのはユーザー需要の問題とも考えられます。
しかし、自動入札を設定した直後2週間は平均CPCが上昇するということは、この結果からも起こり得ることがわかります。
その後の推移はCV,CPAの結果次第で費用とともに上下動しているように見えます。
実際に再現性があるかどうかは、他の結果も見ながら引き続き確認していくのが良いでしょう。
CPCが高騰し続けるのは本当か
「自動入札でCPCがとてつもなく高くなった」という声も何度か聞いています。 一昔前は突然CPC1000円以上になった事例もあります。 この点についても、CPCの最大値と最小値を比べて見ることにしました。
この結果では、CPC最高値が設定以前と比べて上がっていることがはっきりと分かります。
すべての週においてその傾向が見られるので、これは自動入札の特性と言えるでしょう。
一方でCPC最低値も設定以前と比べて、低くなっているように見えますが、やや分かりにくい結果でもあります。
そこで日別にプロットして見ました。

一方で、CPC最低値は「設定なし」のほうが全体的に低くなっている傾向がグラフより見てとれます。
つまり「設定なしの状態と比べて、CPCが高くなる時も低く済む時もある」ということが言えそうです。
手動入札「拡張クリック単価」でCVを獲得できそうなタイミングで入札額を引き上げると言われてましたが、それと同じような傾向ですね。
CVが獲得できそうなタイミングで引き上げてそれ以外は引き下げる、というように、目標値達成に向けて通常以上にメリハリをつけて入札するのが、自動入札の特性と考えられるでしょう。
自動入札で運用するのが怖いという一言で片づけない
「Google広告の自動入札はCPCが高くなって嫌だなぁ」 と懸念されている声を時々聞きますが、このようにデータで見ると目標値を決めてその時々の状況に応じて調整することが大事なことも見えてきました。自動入札にしたら任せきりで良いということではなく、それを制御する運用スキルが求められるということですね。
本記事の結果をヒントに、運用を行いながら知見を増やして運用最適化できたアカウントが増えていくことを期待しています。