広告運用者にとって、日々の運用は手間と時間がかかるものです。多忙な業務の中で、「もっと効率的に広告運用を行いたい」「運用にかかる時間を削減して、他の重要な業務にリソースを割きたい」と考える担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、生成AIを活用したペルソナ設定の具体的な方法について詳しく解説し、「適切なターゲット設定ができない」「時間がかかる」という課題を解決する手助けとなる内容をお届けします。プロンプトを書く手間などは一切ないので、ぜひ最後までご覧いただき実際に試してみてください。
今回は下記のような広告文を出力することを目指します。

ペルソナとは
ペルソナとは、広告やマーケティング戦略でターゲット顧客の具体的なイメージを描いた架空の人物像です。年齢や性別といった基本情報だけでなく、価値観や行動パターンなども設定し、広告の効果を高めます。
Google広告でもペルソナを設定することで、ターゲットに響く広告コピーやキーワード選定が可能になり、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
ただし、ペルソナ設定には多くの時間とリサーチが必要で、負担が大きいことも。そこで役立つのが生成AIです。AIは大量のデータを分析し、迅速かつ精度の高いペルソナを提案します。これにより、効果的な戦略を立てやすくなり、広告運用の効率化が図れます。
次のセクションでは、生成AIであるChatGPTの「my GPTs」という機能を活用してどのようにペルソナ設定を行うか、その具体的なステップを解説していきます。
myGPTsとは
myGPTsは、ChatGPTをベースにした生成AIプラットフォームで、ChatGPTの柔軟性をそのままに、ユーザーが自分の目的に応じた生成AIを自由にカスタマイズして利用できる点が特徴です。これにより、個別のニーズに最適なAIモデルを選択し、専用の生成AIとして使うことが可能になります。
myGPTsでAIをカスタマイズする際は有料プランの加入が必要となっておりますが、2024年5月ごろに他人が作ったGPTsの利用であれば無料プランで利用可能になりました(とてもありがたいですね!)。ぜひ皆さんも実際に試してみてください。
今回は『ペルソナと検索ニーズ深堀りくん』というGPTsを利用するのですが、名称が長いため便宜上『ペルソナくん』と略すことにします。
事前準備でキーワードプランナーで対策キーワードを選定する
ペルソナくんを使う前に実際にリスティング広告に入稿する対策キーワードを選定しましょう。すでに対策キーワードが決まっている場合はこの作業はスキップしてOKです。
今回は脱毛の商材を想定し、キーワードプランナー*で「脱毛」で検索してみます。
(*キーワードプランナーの利用にはGoogle広告アカウントが必要です。)
今回は、検索ボリュームが多い中でも、かなり購入に近い「医療 脱毛 おすすめ」を選択し、このキーワードで検索するユーザーの検索意図を考えてみます。
ペルソナくんを開き会話に従い進めていく
検索キーワードが決まったらペルソナくんの出番です。先述の通り利用自体は無料でできるのですが、利用にはchatGPTのサインアップが求められますので、アカウントがない場合は作成しておきます(1〜3分で登録可能)。
ペルソナくんを開く
サインアップができたら、下記のペルソナくんのURLを開きます。
開いたら「開始してください」のボタンがあるので押したらペルソナ設定がスタートされます。

ペルソナを出力
検索キーワードを求められるので、先ほどキーワードプランナーで設定した「医療 脱毛 おすすめ」を入力します。

すると、検索キーワードをもとにペルソナを設定してくれます。項目は下記です。
・ペルソナ設計:名前、年齢、性別、居住地、家族構成
・仕事情報:職業、経歴、保有しているスキル、教育、使用している製品
・行動情報:日常のルーティン、趣味・興味、オンライン行動、情報収集方法、信頼する情報源
・検索に対してのペイン・ゲイン:課題/理由/原因、求めていること/理由/解消したいこと

内容に問題がなければ「次へ」と入力して進みます。「年齢を30代に!」「住まいを八王子に!」「もっとインドア派にして」のようにこちらの内容を修正することも可能です。
検索意図を出力
「次へ」と入力すると出力されたペルソナの検索意図を出力します。「言われてみればそんな意図もありそう!」という気づきを得られるものもあります。こちらも内容を修正するか、問題がなければ「次へ」と入力して進みます。

カスタマージャーニーを出力
「次へ」と入力すると、最後にカスタマージャーニーを出力します。マーケティング施策においてリスティング広告はあくまで手段の一つでしかありません。
出力されたカスタマージャーニーをもとにSEO施策やディスプレイ広告などと結びつけていくと施策の幅が広がりそうですね。

広告文を作成する
ここから先はペルソナくんの標準機能ではないのですが、作成したペルソナの情報を記録した状態でさらにAIと追加で会話をすることができます。
そこで下記プロンプトを入力することで広告文を作成することができます。
#役割
WEB広告の広告文を10個考えるマーケティング担当者
#依頼事項
広告文について、①見出しと②説明文を考えてください。
#形式
①見出しは半角30字以内、②説明文は半角90字以内を1セットで書いてください。
できるだけ違う角度からの訴求で、流入先URLの情報を参考に属性や訴求軸を変えてください。
全角=半角2字分です。
#ルール
日本語で書いてください。
①②を10個ずつ考えて書いてください。
#NGワード
美容脱毛、絶対、一番、
#流入先ドメイン、流入先URL
{脱毛サイトのURLを入力}

下記が実際に出力された広告文です。どのくらい実務に耐えられるかは商材や運によっても左右されますが、一番最初のたたき台としての活用はかなり有効なのではないでしょうか。

そのほか、AIを使った広告運用アイデアについては下記記事で紹介しています。
まとめ
この記事では、広告運用の効率化において生成AIの活用が注目されていることをご紹介しました。広告コピーの作成やキーワード選定、パフォーマンスの最適化といった多くの広告運用者にとって、生成AIを使うことで作業の効率化が期待できます。
特にペルソナ設定では、ターゲット顧客の具体的な人物像を描くことで、マーケティング施策の方向性が明確になり、広告の効果を高めることができます。従来は時間と手間のかかる作業でしたが、生成AIを活用することで、迅速かつ精度の高い設定が可能になり、広告運用の負担を軽減できることをmyGPTsを利用して解説しました。
生成AIの活用が広告運用の効率化と最適化につながることが期待できると感じていただけたらとても嬉しいです。
弊社SPENDAでは、AIとBIツールを活用しWebマーケティングを一気通貫で支援しております。現在Webマーケティングでお困りのことがございましたらお気軽にご相談くださいませ。